過去単純形と過去完了形の違い[青稲塾そこ知り英文法024]

024%e9%81%8e%e5%8e%bb%e5%8d%98%e7%b4%94%e5%bd%a2-vs-%e9%81%8e%e5%8e%bb%e5%ae%8c%e4%ba%86%e5%bd%a2今日の「そこ知り英文法」は「過去単純形と過去完了形の違い」についてです。昨日の記事(現在完了と過去完了の違い[青稲塾そこ知り英文法023] )に引き続き、過去完了の使い所について説明してゆきます。(ちなみに、過去単純形はいわゆる過去形のことです)ここをしっかりと理解しないと、文脈が全く掴めなくなることもあるので、「英語はとりあえず読めればいいや」派の人もしっかりと理解し、確実に身に付けましょう。
前回の記事はこちら↓「そこ知り英文法シリーズ」まとめ記事はこちらから↓

問題

「Markは、Janeのお気に入りの花瓶を割ってしまったことを認めた」を英訳すると。適切なのは↓のうちどちら?

  • Mark admitted that he broke Jane's favorite vase.
  • Mark admitted that he had broken Jane's favorite vase.

ちなみに、相違点はthat以下の動詞部分のみで、前者は過去単純形・後者は過去完了を使用しています。自分なりに答えが出たら、今度は↓の英文を訳してみましょう。

  • When Mark arrived the park, everyone left there.
  • When Mark arrived the park, everyone had left there.

こちらも、前者は過去単純形・後者は過去完了を使用しています。上手く訳し分けが出来ますか?

今日のポイント

昨日の記事では、過去完了について現在完了と比較しながら説明しました。軽く復習しておくと・・・過去完了(had+p.p)には用法が4つあり、そのうちの3つは現在完了と同じく「継続・完了・経験」なので、わからないときは「現在完了を参考に、時制を過去にずらして考えよう」という話でした。今日お話するのは残り1/4、大過去用法についてです。実はこれだけ他とは少し趣が異なるのです。3用法は線形なのに対して、これだけは点なのです。過去の基準点まで、状態が継続していたわけでも、影響が続いていたわけでも、経験を数えているわけでもなく、単にearlier past(過去の基準点よりも以前)にこういったことが起こりましたよってのを協調したいときに使われるのが大過去用法なのです。そういった意味では現在完了の過去ヴァージョンというよりも、過去形の過去バージョンに近いと言えますね。

  • Mark admitted that he had broken Jane's favorite vase before.

たとえば↑の文のthat以下ですが、これは継続・経験ではないことはパッとわかりますよね。そこだけ切り取って見ると完了用法の可能性もありますが、主節にHe admittedとあるので、影響が及ぶイメージの完了用法というよりも、単に「earlier past(より昔)に起こったことを、とあるpast時点(昔)において認めた」という感じですね。つまり、これは大過去用法ということです。

  • When Mark arrived the park, everyone left there.
  • When Mark arrived the park, everyone had left there.

それでは、次は過去単純形と過去完了大過去用法を比べ、違いを探ってゆきましょう。↑の前者は過去単純形を使用していますね。したがって、「公園に到着した」のと「皆が帰った」のはほぼ同時ということになります。「Markが公園に到着すると、皆帰ってしまった」ということですね。対して、後者は過去完了です。「公園に到着した」のと「皆帰った」の間にはタイムラグがあります。「Markが公園に到着すると、(すでに)皆帰ってしまっていた」ということです。hadが一語あるかないかで大きな違いですね。それでは↓はどういった意味になるか考えてみましょう。

  • He regretted what he said.
  • After he graduated from school, he started working for this company.
  • I got up at 7, washed my face, put in my favorite shirt, ate breakfast and left home at 8.

訳すのは簡単だと思いますが「あれ?」と思いませんでしたか?そう!タイムラグがあるのに過去完了を使っていないのです。誤用ではないですよ。上の方で言いましたが、大過去を使うタイミングはあくまでもearlier pastであることを強調したい時なのです。したがって、単語の意味や、文章展開からどう考えてもealier pastだということがわかるのであれば、わざわざhad p.pを使う必要はないのです。後悔の内容は後悔時点よりもearlier pastに決まってます。Afterも同様で、3つめの文は「起床→洗顔→着替え→朝食→出発」を起こった順序で並べているだけです。このように、時間的関係性がわかり易い場合はわざわざ強調してやる必要がないので、普通に過去単純形を用いるのです。(絶対に過去単純形というわけではありません。強調したいのであれば過去完了も可)ただし、↓のように、どちらが前かわからなくなってしまうときには必ず過去完了を使って表現しましょう。

  • When Mark arrived the park, everyone left there.
  • When Mark arrived the park, everyone had left there.
  • I thought that he was innocent.
  • I thought that he had been innocent.

本日のまとめ

  • 過去単純形が表すのはpast時点の出来事
  • 過去完了形が表すのはearlier pastを強調するとき
  • ただし、earlier pastであることが容易に推測できる場合は過去完了でなく過去形を使う。

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