関係詞の制限用法と非制限用法の違い[青稲塾そこ知り英文法012]

[012]制限用法 v.s. 非制限用法今日の「そこ知り英文法」は「関係詞の制限用法と非制限用法の違い」についてです。「,なし」の関係詞を制限用法、「,あり」を非制限用法と呼びますが、学校では「訳し上げor訳し下げ」の違いをメインに学ぶことが多いですよね。(読者の方はどうでしかた?)しかし、訳出法を学ぶだけでは両者の違いはぼやけてしまいます。これではもったいない。実は「,がひとつあるかないか」だけで、表現できる状況は場合によっては180度異なります。訳だけでなく、文法原理もしっかり学び、違いを完璧に身に付けましょう。キーワードは「対比」と「補足」。
前回の記事はこちら↓「そこ知り英文法シリーズ」まとめ記事はこちらから↓

息子は三人?それとも・・・。

問題です。「私には息子が三人いて、全員が医者をやっています。」を関係代名詞を使って英訳し、正確に書きなさい。

  • I have three sons who are all doctors.
  • I have three sons, who are all doctors.

「,なし」で書いた人、残念ながら不正解です。正解は後者。ちなみに、前者は「私には医者をやってる息子が三人います。」になります。日本語で比較すると違いが見えづらくなってしまうのですが、英語的には2文が示す状況は完全に異なります。なんと、前者では息子が4人以上いることになってしまうのです・・・。

今日のポイント

関係詞(関係代名詞と関係副詞)の制限用法(,なしversion)は、別名限定用法とも呼ばれます。「あっちではなくてこっち」、意味の曖昧さを削り取るために、そうじゃないものを分離させて、それそのものだけに絞るのが限定です。つまり関係詞の制限用法は対比的な意味合いを暗示するのです。たとえば、「Sawyer先生は私が最も好きな先生方のうちの一人です。」を考えてみましょう。先生というのは、世の中にたくさんいます。先生という存在であれば誰しもが好まれるということはなく、誰にとっても、好みの先生とそうじゃない先生の両方いるのが普通でしょう。さて、ここで「私が最も好きな」という部分は、「好きではない」という可能性を削り取り、「先生方」が「どのようなタイプの先生方」なのかをより明確に限定する役割を果たしていると考えられます。

  • Mr.Sawyer is one of the teachers who I like the best.

対して非制限用法(,ありversion)は捕捉的な意味合いを持ちます。限定する必要がない、「それしかない名詞」に対して同じ文中で補足説明を付け加えたい場合に使用します。たとえば、「たくさんの人が住んでいる東京」という表現です。東京はひとつです。「たくさんの人が住んでいる東京」以外に「たくさんの人が住んでいない東京」があるわけではないですよね。したがって限定する必要がありませんので、非制限用法を使って以下のような文が書けます。

  • Tokyo, which a lot of people live in, is the capital of Japan.

ところで、以下の表現にはどのような違いがあるかわかりますか?

  • Mary is my girlfriend who I really love.
  • Mary is my girlfriend, who I really love.

上の文は「,なし」なので制限用法です。対比を暗示するのですから、IにはMary以外に他のgirlfriendがいるということになります。「本当に好きな方の」と言ってはいますが、Iは本質的には浮気野郎なわけです。対して後者は「,あり」なので非制限用法です。対比的なニュアンスではなく、ただの捕捉説明なわけですから、IのgirlfriendはMary一人で、しかも「本当に愛している」わけです。コンマ1つでかなり状況が変わってきますね・・・。さて、ここまでは関係代名詞で説明しましたが、もちろん関係副詞でも同じことが言えます。

  • New York, where I've lived for 20 years, is absolutely fantastic.
  • I played football last Sunday, when I had to study for the exam.

二種類のNew Yorkがあるわけでも、二種類のlast Sundayがあるわけでもないですよね。だから、限定してやる必要がない。したがって、これらの場合には非制限用法を使うわけです。ちなみに、こう考えると関係副詞のwhyとhowに非制限用法がないのも当たり前の話だと言えます。関係副詞whyの先行詞にはa/the reasonしか来れません。世の中には「理由」は無数にあるわけですから、当然限定してやらないければ、どのreasonなのかわからないですよね。howの先行詞は(必ず省略されるのでこの言い方が正しくないかもしれませんが・・・)the wayです。これもreasonと同じで限定してやらないとどのような「方法」なのかわからないわけです。したがって両者は必ず制限用法で使用する必要があります。

本日のまとめ

  • 制限用法は対比
  • 非制限用法は捕捉

接続詞について他にも学んでみよう!!

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