選別[習熟の心得・一]
前回(調整[段取りの心得・三])で、段取りの心得についての説明は終えました。今日からは、習熟の心得(知識を効率よく身に付けてゆくコツ)について説明してゆきます。まずは習熟の心得・一「選別」について。テキストをマスターする際にまずやるべきことは、やる必要がある問題とそうでない問題を選り分けることです。新しいテキストに取り組み始めるタイミングであれ、書いてある問題すべてがわからないということはないはずです。(仮にそうだとすれば、それはあなたにとって難しすぎます。別のものに変えましょう)すでに身に付いていることを、漫然と繰り返すのは時間のムダ。問題を○×△で分類し、メリハリの効いた勉強ができるよう準備しましょう。前回の記事はこちら↓初めから読みたい方はこちら↓まとめページはこちら↓
◯
まずはざっと問題を解いてみて、そのうち解答の根拠を説明でき、かつ即答できるものに○印をつけましょう。初見で根拠解説+即答が出来るということは、その問題に答えるのに必要な知識は完全にあなたのものになっているということです。解き直しや定期的なチェックは必要ですが、すでに完璧になっているこれらの問題に多くの時間を割くよりは、他の出来ない問題に時間を割いたほうが賢明です。ちなみに、テキストを解く目的はその知識を身に付けることにあるので、全問に○印を刻むことが出来て、初めてその一冊をマスターしたということになります。一・二回ざっと解いたくらいでは、テキストをマスターしたとは言えません。徹底的にやり込みましょう!
×
根拠はわからないし、もちろん即答もできない。そんな問題には×印をつけましょう。これらの問題に当たるとき、まず大切なのは「なぜその答えになるのか」を理解・納得しようとすることです。解説を何回も読み込み、しっかりと自分の頭で考え抜きましょう。(どうしても納得できなければ、教師等に質問してみましょう)わからない状態と向き合い、地道に思考を積み重ねてゆくのはなかなかにしんどい作業です。しかし、これを自分に誠実にしっかりとやり切れるか。それがこれからの出来を大きく左右します。頭は使えば使うほど、良くなってゆきます。「考えすぎて頭がおかしくなりそう」というほど考え抜いた経験こそが、あなたの頭を成長させます。本当に使える知識が身に付き、他の問題への応用力も向上し、その上考え抜く力自体も高まるのです。しんどくても、「今この瞬間にこそ頭が良くなってるんだ!」と自分を励まし、解答の根拠を理解することに努めましょう。自分の中で納得し、根拠が自分の言葉で説明できるようになったら、×の上から△を書き込みましょう。
△
根拠は言えるけど時間が掛かる。即答できない。そんな問題には△印です。必要なのは再現訓練を繰り返し、知識を血肉化・常識化することです。突然ですが、あなたは1+1はいくつになるかわかりますか?当然、2ですね。これって即答できますよね?特に考えることなく瞬間的に浮かびましたよね?これが知識が常識化された状態です。ところで、何か新しいことを理解しようとした時に、前提となる知識が常識化されていないとどうなるか想像つきますか?たとえば中学3年生で二次関数を学びますが、これが苦手な場合は一次関数に、あるいはもっと前に習ったはずの方程式に関する知識に問題があることがよくあります。知識がふにゃふにゃでは土台として機能しないのです。英語も、理社も、国語に関しても、同じことが言えます。全てはつながっています。理解した段階ではなく、常識化してから次に移るようにしましょう。やり方は簡単。理解した上でそれを再現しようとすること。失敗を重ねても諦めずに何度も何度も繰り返すこと。その繰り返しを通して、脳の回路は強固になり、知識は本当の意味で自分のものになります。一々考えるまでもなく即答できる「当たり前」な状態。知識の常識化・血肉化が起こるわけです。ここまで来れば○印を付け、次の問題に進みましょう。