S is ~.とThere is S ~.の違い[青稲塾そこ知り英文法020]

[020]S is ~. v.s. There is S ~.今日の「そこ知り英文法」は「S is ~.とThere is S ~.の違い」についてです。いわゆる普通の文と存在文の違いについてですね。There is構文を「〜がある・いる」と訳すのはもちろん皆さん知っていると思うのですが、どのような場合に用いればいいのかという点に関して、しっかりと理解している人は少数派なのではないでしょうか。今日は、そうした存在文を使うタイミングを初め、それを用いる理由や作り方についても説明してゆきたいと思います。
前回の記事はこちら↓「そこ知り英文法シリーズ」まとめ記事はこちらから↓

その人達は外に居たんだ

問題です。「その人達は外に居たんだ」を英訳すると文法的に正しいのは以下の内どちら?

  • The people were outside.
  • There were the people outside.

わかりましたか?「"ある・いる"はthere is構文だから後者だ!」と思った方、残念ながら不正解です。正解は前者"The people~"の方なのです。当シリーズを定期的に読んで下さっている方はだいぶわかってきたと思いますが、正しい英語を身につけるには訳だけ覚えても仕方がありません。どのようなルールに基づきその表現が使われるのかまで、しっかりと理解することを心掛けましょう。

今日のポイント

存在文を使うのは、Sに限定されていない名詞が来る場合です。対して普通の文はSに限定されている名詞が来ます。たとえばa/some/any/noなどが付いていたり、そもそも冠詞が付いていなかったりするもの。こういったものが限定されていない名詞です。対してthe/所有代名詞(myとかhisとか)/指示代名詞(thisとかthatとか)が付いている名詞や、人名だったりは限定されている名詞の具体例になります。↑の場合だと、「the peopleは外に居た」つまり、Sは限定されている特定のpeopleなわけです。したがってこの場合は、存在文を使う必要がありません。

  • The people were outside.

「お腹へったんだけど・・・」に対して「テーブルの上にリンゴが一個あるよ」と言いたい場合はどうでしょうか。この場合、このリンゴはお互いが共通認識しているような特定のリンゴではありませんよね。言った方はわかるけど、言われた方はどんなリンゴかわからないリンゴです。この場合はthe appleではなく、an appleを使うので以下のようになります。

  • There is an apple on the table.

このように、Sにどのような表現が来るのかによって存在文を使うか否かが決まるわけですが、なんでこんな決まりがあるのでしょうか。実は英語には「相手が知っていると予測されることや、比較的重要度が低い情報はなるべく前に。相手が知らないと思われることや、比較的重要度が高い情報はなるべく後ろに」という単語の配列ルールがあります。これが破られると、唐突な感を与えたり、蛇足的に感じられたりしてしまうのですね。これを防ぐための工夫としてThereを文頭に持ってきて、SをVの後ろに移動したのが存在文というわけです。

  • Mark is standing by the door.
  • There is someone standing by the door.
  • His small building used to be here.
  • There used to be a big building here.
  • The ticket seems left.
  • There seems a ticket left.
  • There is nothing to be done.
  • There remains nothing to be done.
  • I want my dog Terry to be with me forever.
  • I don't want there to be any trouble.

本日のまとめ

  • Sが限定されている場合は普通の語順を使う。
  • Sが限定されていない場合は存在文を使う。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です