becauseとforの違い[青稲塾そこ知り英文法046]

046-because-vs-for今日の「そこ知り英文法」はbecauseとforの違いについてです。forというと、前置詞としての用法の方が遥かに有名ですが、今日説明するのは接続詞としてのforの用法です。becauseとforの両者とも、その後ろにSV構造をつなげることで理由を表すことが出来るのですが、しかし、それがどういったタイプの理由であるのか、つまり主節との関係性が異なるのです。※becauseについてより詳しく知りたい方はsinceとbecauseの違い[青稲塾そこ知り英文法019]も参考にどうぞ。
前回の記事はこちら↓
becauseについて詳しく!↓
「そこ知り英文法シリーズ」まとめ記事はこちらから↓

問題

問題。becauseかforを使用し、英文を完成させましょう。

  • She must be ill, [ ] she looks pale.

答え↓

  • She must be ill, [ for ] she looks pale.

解説

理由を表す接続詞として学校で初めて学ぶのがbecauseです。by cause「原因によって」に由来し、知っての通り「〜なので、〜だから」などと訳します。使用タイミングとしては、sinceとbecauseの違い[青稲塾そこ知り英文法019]でも説明した通り、「結果を表す主節に対し、原因の方がより情報としての比重が大きい、つまり原因=新情報である場合」に使う傾向があり、そして旧情報と新情報の違い[青稲塾そこ知り英文法021]で説明した通り、新情報は文中の後半部分に置かれる傾向があるため、当然because節も後半に来る傾向があります。

  • I didn't go because you told me not to.
    君が来るなと言ったから、行かなかったよ。

そして、あまり知られてないようですが、実はforにも理由を表す接続詞としての用法があります。(非常にformalな、特に話し言葉では滅多に見られない用法)こちらもbecause同様、新情報を導入し、文の後半部に置かれます。しかし、その理由と強制度は全く異なります。forに導かれた節は100%文の後半部に来ることになりますが、これは情報構造によるものではなく、文法規則によるものです。forは等位接続詞なのです。(becauseが従属接続詞)等位接続詞には他にもand,but,orなどがありますが、forは基本的にこれと似た働きをします。ところで、以下の2文をandでつなげと言われたら、あなたならどうしますか?

  • Oliver likes Ava.
  • She likes him.

どうでしょうか。特に難しくはないと思いますが・・・

  • Oliver likes Ava and she likes him.

当然こう書きますよね?もしかしたら、andの前後を逆にしたかもしれませんが、せいぜいその程度でしょう。forに関しても同じことが言えます。AとBをforでつなげたれば、"A, for B"とする必要があります。"And B, A"が誤りであるのと同じ理由で、"for B, A"は完全に誤りです。気を付けましょう!

  •  Lilly may be dating Leo, for they both wear the same rings.
    LillyはLeoと付き合ってるのかも。だって同じ指輪付けてるし。

さらに、意味においても重要な違いがあります。becauseは因果関係における原因を、forは判断根拠を述べるときに使うという点です。たとえば・・・

  • Thomas looks pale, because he is ill.
    Thomasは顔色が悪い。なぜなら、調子が悪いからだ。
  • Thomas must be ill, for he looks pale.
    Thomasは調子が悪いに違いない。というのも顔色が悪いからだ。

前者は因果関係の文です。「彼は顔色が悪い」に対し、「彼は調子が悪い」という原因がある。そういった因果関係を説明をする文です。対して後者は、「調子が悪いに違いない」という判断と、「顔色が悪い」という根拠をセットで説明した文です。当然、「調子が悪いに違いない」に対して、「顔色が悪い」を原因と捉えることは出来ません。因果が逆です。このように、forが表すのは因果関係ではなく根拠なのです。対比的に捉えるなら、事象の理由はbecause、判断の理由はforってところでしょうか。さて、それでは問題に戻りましょう。

  • Daisy must be ill, [ ] she looks pale.

「彼女は調子が悪いに違いない」と「彼女は顔色が悪い」の関係性を考えます。「調子が悪い」から「顔色が悪い」はありえますが、「顔色が悪い」から「調子が悪い」にはなりえません。因果関係として成り立ちません。「顔色が悪い」から「調子が悪いに違いない」は、「判断とそれに対する根拠」の関係性です。したがって、ここではforが入ります。

  • Daisy must be ill, [ for ] she looks pale.

類題

問題。becauseかforを使用し、以下の英文を完成させましょう。

  • The answer must be collect, [ ] Lucy said it.

答え↓

  • The answer must be collect, [ for ] Lucy said it.
    その答えは正解に違いない。だって、Lucyがそう言ってたもん。

本日のまとめ

  • forは等位接続詞。判断根拠。formal。
  • becauseは従属接続詞。因果関係の原因。

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