If S doesとIf S will doの違い[青稲塾そこ知り英文法067]

067-if-s-does-vs-if-s-will-do今日の「そこ知り英文法」はIf S doesとIf S will doの違いについてです。学校などでは、「時・条件を表す副詞節内では、未来のことであっても現在形を用いる」と教わりますが、実は「時・条件を表す副詞節内であるにも関わらず、willを使用すること」もあるのです。しかも、そのバリエーションはなんと4パターン。本日のキーワードは「結果」「丁寧」「性質」「拒絶」。それでは、いってみましょ〜。
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問題

問題。「最後まで読むのであれば、その本を買ってあげるよ。」文法的に適切なのはどちらの英文?

  • I'll buy the book to you, if you have read it all.
  • I'll buy the book to you, if you will have read it all.

答え↓

  • 後者。will。

解説

中学・高校では一般に「時・条件を表す副詞節の内部では、未来の内容も現在形で表す」というルールを教わると思います。(ちなみに本来は現在形ではなく、原形を使っていたのですが、時間が経つに連れて形が似ている現在形を使うようになったようです)しかし、実は副詞節として扱われるif節の内部でもwillを使うことがあるのです!

  • If S will do...

1つめは、if節が結果を表す場合です。たとえば「もしそれで君の気分が良くなるのであれば、僕は今すぐここを去るよ。」と言う場合を考えましょう。当然「もしそれで君の気分が良くなるのであれば、」はif節に、「僕は今すぐここを去るよ。」は主節になります。一般的に「if節は条件節となり、主節はそれに対する帰結節となる」のですが・・・さて、この日本文をもう一度よく見てください。そう。if節と主節の関係性が通常と異なるのです。いつも通りの「条件とそれに対応する帰結の関係性」ならば、「if節(条件)→主節(帰結)」の順でコトが起こるはずです。(「雨が降れば、室内で遊ぶつもりだ。」)しかし、ここでは「主節→if節」の順でコトが起きることになっています。「主節の結果としてif節が起こる関係性」なわけですね。このように、「if節が単純な条件でなく、主節の結果を兼ねる」のであれば、たとえif節の中であろうともwillを使う必要があるのです。

  • I'll play inside, if it rains. 
    「中で遊ぶよ。もし雨が降るなら。」
  • I'll leave here right now, if it will make you feel better.
    「今すぐここを経つよ。もしそれで君の気分が良くなるのであれば。」

2つめはwillで丁寧さを表す場合です。if S doesは単純な条件設定しか出来ませんが、if S will doは丁寧なニュアンスを醸し出す条件設定を行なうことが出来ます。willの推量のニュアンスを挟むことによって、断定的な響きが転じて、丁寧さを表すことが出来るのです。日本語にするなら「もし〜なら」ではなく「もし〜ということがあれば」といった感じでしょうか。

  • If you come, I will prepare for it.
    「もし来るなら、準備をしておくつもりです。」
  • If you will come, I will prepare for it.
    「もしおいでになるようなことがおありでしたら、準備をしておきましょう。」

さらに、一回こっきりの言動ではなく、性格・性質について批判するときにもif S will doは使われます。特にinformalな会話などで使われるのですが、willを強調して発音するのがキモです。

  • If you cut classes any more, you will be expelled.
    「これ以上授業をサボるのであれば、あなたは退学になるでしょう。」
  • If you will cut classes, you will be expelled.
    「君はよく授業をサボるが、それを変えないのであれば、退学になるでしょう。」

そして最後。3つめと若干似ていますが、拒絶のwon'tと組み合わせる場合です。「どうしても〜しようとすらしないのであれば」を表す場合ですね。

  • If he doesn't  stop cutting classes, he will be expelled.
    「授業をサボるのを止めなければ、彼は退学になるだろう。」
  • If he won't stop cutting classes, he will be expelled.
    「どうしても授業をサボるのを止めようしないのであれば、彼は退学になるだろう。」

以上の4つがif節中でwillを使うタイミングです。ところで、if willはどうしてこのようなタイミングで使われうるのでしょうか・・・。実はここで使われるwill自体の用法は特別なものでもなんでもありません。「推量」や「意志」を表しているだけなのです。前者2つは「推量」、後者2つは「意志」を表すwillの用法がもとになっています。

  • I'll leave here right now, if it will make you feel better.
  • If you will come, I will prepare for it.
  • If you will cut classes, you will be expelled.
  • If he won't stop cutting classes, he will be expelled.

それでは問題に戻りましょう。問題。「最後まで読むのであれば、その本を買ってあげるよ。」文法的に適切なのはどちらの英文?

  • I'll buy the book to you, if you have read it all.
  • I'll buy the book to you, if you will have read it all.

「買ってあげる」結果として「それを最後まで読む」という関係なので、if S will doの派生系であるif S will have doneを使った後者が正解。

類題

問題。主節とif節の関係性を説明し、以下の英文を訳せ。

  • I'll buy the book to you, if you have read the book you have.

答え↓

  • 主節が帰結で、if節が条件。「今持っている本を読み終わったら、その本を買ってあげるよ。」

本日のまとめ

  • If S doesは出来事の順序が「条件節→帰結節」となるような単純な条件設定。
  • If S will doは「結果」「丁寧」「性質への批判」「拒絶」を表す

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