If S were to doとIf S should doの違い[青稲塾そこ知り英文法066]

066-if-s-were-to-do-vs-if-s-should-do今日の「そこ知り英文法」はIf S were to doとIf S should doの違いについてです。両者とも未来のことを表す仮定法として教わる表現です。前者はbe to不定詞を過去形にすることで、対して後者はshallを過去形にすることで、未来についての実現可能性が高くない出来事について仮定することが出来ます。同じタイミングで、ほとんど同じものとして教わるこれらの表現ですが、実は違いがあることを知っていますか?キーワードは「仮定のための仮定」と「実現度の低い仮定」。それでは、いってみましょ〜。
前回の記事はこちら↓
「そこ知り英文法シリーズ」まとめ記事はこちらから↓

問題

問題。文法的に適切なのはどちらの英文?

  • Even if the sun were to rise in the west, he wouldn't change his mind.
  • Even if the sun should rise in the west, he wouldn't change his mind.

答え↓

  • 前者。were to。

解説

If S were to doとIf S should doは、両方とも未来についての仮定で使います。しかし、実はこの2つ、会話の目的によって使い分けが必要なのです。まず、If S were to doですが、これは仮定の話を目的に仮定の話をするときに使われます。「現実に起こりうるかどうかとは関係なしに、もしこういうことが起こったら・・・」を話すことってないですか?純粋に知的作業・知的遊戯として、「もしこうだったら」を仮定して、想像に耽ったり、議論に熱を上げる。こうしたときに使われるのが、このwere toを含む仮定法です。結果的に「起こる可能性が0」の場合にもしばしば使われ、「shouldを含む仮定法よりも実現度が低い仮定を表す」と説明されますが、「実現度0%」というよりは「そもそも実現性を考えていない・尺度すらない」いわば「仮定のための仮定」というのが、この表現の核心です。「もし女優にデートに誘われたら、どうする?」などもwere to仮定法で表すことが出来ます。これって、将来に渡って実現可能性が必ずしも0%ということではないですが、その実現度を考えているわけでもありませんよね。想像の世界で楽しんでいるだけです。したがって、were to仮定法を使うわけです。

  • If an actress were to ask you out, what would you do?

対して、If S should doが使われるのは、「現実に起こる可能性も0ではないが、実現度が極めて低い未来の仮定」です。こちらには実現性という尺度があるわけです。たとえば、あなたが校舎裏でタバコをふかす不良だとします。笑。教師が見回りに来たことはここ2年間一度もありません。これを前提として「もし万が一教師に見つかったら、俺ら退学だな」と言いたければ、このshouldを含んだ仮定法を使います。この場合は想像の世界の話ではなく、現実世界での可能性について考えているからです。

  • If the teachers should see us doing it, we would be expelled.

さて、were to仮定法とshould仮定法のニュアンスの違いは理解できたでしょうか?両者にはもう一つ、大きな違いがあります。帰結節の形です。were to仮定法の帰結節には仮定法(S would do...)しか来れないのに対し、should仮定法の帰結節は直接法(S will do...)・仮定法(S would do...)・命令法(Do...)のどれにでもなりうるのです。・・なぜでしょうか?

  • If an actress were to ask you out, what would you do?

仮定法の核心は「現実との距離感・実現可能性の低さ」にあります。仮定の世界を楽しむwere to仮定法は全体として仮定のお話なので、その条件も帰結も当然仮定法を使います。

  • If the teachers were to see us doing it, we would be expelled.
  • If Oliver should be late, we will start without him.
  • If anyone should come and see me, tell them I'm out.

しかし、shouldが表すのは「現実に起こる可能性も0ではないが、実現度が極めて低い未来の仮定」です。要は半分仮想半分現実なわけですね。したがって、この表現、仮想の部分が強く意識されると全体として仮定法となり、現実の部分が意識されると帰結節が直接法・命令法となります。その場合は、通常の条件文を前提として考え、条件節の可能性が低いバージョンと考えるといいでしょう。(when節とif節の違いはwhenとifの違い[青稲塾そこ知り英文法026]参照)

  • When Oliver is late, we will start without him.
    Oliverは遅刻すると思うけど、彼なしで始めよう。
  • If Oliver is late, we will start without him.
    もしOliverが遅刻したら、彼なしで始める。
  • If Oliver should be late, we will start without him.
    万が一Oliverが遅刻したら、彼なしで始める。
  • When anyone comes and see me, tell them I'm out.
    誰かが訪ねて来ると思うが、外出してると伝えてくれ。
  • If anyone comes and see me, tell them I'm out.
    もし誰かが訪ねて来たら、外出してると伝えてくれ。
  • If anyone should come and see me, tell them I'm out.
    万が一誰かが訪ねて来たら、外出してると伝えてくれ。

それでは問題に戻ります。文法的に適切なのはどちらの英文?

  • Even if the sun were to rise in the west, he wouldn't change his mind.
  • Even if the sun should rise in the west, he wouldn't change his mind.

if節の中を見ただけでわかりますね。仮定のための仮定です。現実的に太陽が西から昇ることはありえません。したがって、were toを使用している前者が正解となります。

類題

問題。were to・shouldから正しいものを選び、[ ]を埋め、文法的に正しい英文を作りましょう。

  • If you [ ] need my help, don't hesitate to phone me.

答え↓

  • should。帰結節が命令法。

本日のまとめ

  • if S were to doは非現実志向的な未来の仮定。帰結節は仮定法(S would do...)
  • if S should doは現実志向的な低実現度の未来の仮定。帰結節は直接法(S will do...)・仮定法(S would do...)・命令法(Do...)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です