seemとseem to beの違い[青稲塾そこ知り英文法098]

今日の「そこ知り英文法」は「seemとseem to beの違い」についてです。選択式の文法問題などで直接問われることはありませんが、たとえば英作文などで「彼は日本人のようだ。」のような話し手の判断を表す英文を書くとき、seemとseem to beのどちらを使うべきか悩んだ経験はありませんか?両者には様々な共通点があり、混同してしまいがちですが、ここにもやはり押さえておくべき違いがあるのです。本日のキーワードは「主観」と「客観」。それではいってみましょう〜。
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問題

問題。以下の英文は「彼は日本人のようだ。」を表したものです。より適切なのはどちら?

  1. He seems Japanese.
  2. He seems to be Japanese.

答え↓

  • 2。seem to be 。

解説

seemとseem to beは、名詞や形容詞が補語になれるという点や、「〜らしい」という訳語、判断を表すという点において共通点があります。しかし、その判断が何についてのモノなのかによって、使い分けの必要があるのです。seemは主観的な意見について話すときに、対してseems to beは客観的事実について話すときに用いられます。たとえば・・・

  • He is happy.

この文はひとつの「意見」に過ぎません。「幸せか否か」というのは、個々人の捉え方によって変わります。たとえば、彼女が欲しいA君から見ると、彼女持ちのB君はきっと幸せに見えますよね。対して、B君よりも可愛い彼女がいるメンクイのC君にとっては、B君は幸せには見えないかもしれません。このように、それぞれ異なる「意見」を前提に、「〜らしい」という判断を意味する表現を付加したいのであれば・・・

  • He seems happy.

こうなるわけです。対して・・・

  • The train is full.

この文が表しているのは「意見」ではなく、「事実」です。「満員な電車」というのは誰から見ても同じく「満員な電車」です。「満員な電車」を見て、「満員ではない」と答える人は、居たとしてもかなりの少数派です。意見が割れることはまずないでしょう。このような「事実」を前提とした発言に、「〜らしい」を付け加えたいのであれば・・・

  • The train seems to be full.

このようになります。要は、補語となる形容詞を基準にして・・・

  • 主観的→seem
  • 客観的→seem to be

こういうことです。さて、じゃあ「どんな形容詞が主観的で、客観的なの?」って話ですが、たとえば、nice,interesting,delicious,beautiful,crazyなどは「人によって評価が分かれる」ので主観的形容詞です。客観的形容詞はその逆で「人によって評価が分かれにくい」ものを表しますが、こちらは以下の7つに分類されます。

  1. size(tall, short, high, low, wide, narrow, thin, slim, long, fat, huge, short; longer)
  2. age(new, young, adolescent, teenage, middle-aged, old, ancient)
  3. shape(circular, oval, triangular, square, 5-sided, hexagonal, irregular)
  4. color(red, orange, yellow, green, blue, purple, white, grey, black, black and white, light blue, dark red, pale blue, reddish brown, off-white, bright green, warm yellow)
  5. origin(American, Canadian, Chinese, English, Japanese, Buddhist, Taoist, Christian)
  6. material(wood, plastic, metal, ceramic, paper, silk)
  7. Noun used as an adjective(campus [as in 'campus activities'])

ちなみに、客観的形容詞の中にも序列はあり、上へ行けば行くほど主観的であり、下れば下るほど客観的です。注意すべきはsizeとageに関する形容詞です。これらは客観的形容詞の中でも、より主観的要素を含む語です。よって、場合によってはseemを使用することもありえます。

  • He seems older than he is.
  • He seems to be more than 100 years old.

「老いている(お年寄っぽい)」は主観的意見ですが、「〜才である」は客観的事実ですので、こうなるわけですね。ところで、ここまでは補語として形容詞が来る場合について話しましたが、補語には名詞が来る場合はどうなるでしょうか?実は、形容詞の場合と変わりありません。主観的ならseem、客観的ならseem to beになるだけです。

  • He seems a fool.
  • He seems a cute boy.
  • He seems to be the boss.

それでは問題に戻りましょう。以下の英文は「彼は日本人のようだ。」を表したものです。より適切なのはどちら?

  1. He seems Japanese.
  2. He seems to be Japanese.

「日本人か否か」は意見ではなく、事実です。よって、seem to be の2番が正解になります。

類題

問題。以下の英文は「彼女はキリスト教を信仰しているようだ。」を表したものです。より適切なのはどちら?

  1. She seems Christian.
  2. She seems to be Christian.

答え↓

  • 2。seem to be 。

本日のまとめ

  • seemは「主観的意見」
  • seem to be「客観的事実」

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