thought+過去形とwished+過去形の違い[青稲塾そこ知り英文法089]

今日の「そこ知り英文法」は「thought+過去形とwished+過去形の違い」についてです。前回説明した通り、wishの目的語に文が入る場合、それは必ず仮定法の文になるのですが、これをwishedに変えた場合、目的語の文の時制はどう変化するでしょうか?thinkを例に考えるなら、時制の一致に気を付ければ足りますが、果たしてwishedの場合も同様に考えて問題ないのでしょうか?本日のキーワードは「仮定法」と「時制の一致」。それではいってみましょう〜。
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問題

問題。以下の英文をそれぞれ過去時制に変えよ。

  1. I think he is guilty.
  2. I wish he was guilty.

答え↓

  1. I thought he was guilty.
  2. I wished he was guilty.

解説

前回説明した通り、wishの目的語の位置に文が来るとき、それは必ず仮定法の文になります。たとえば・・・

  • He wishes he was taller.
  • She wishes she had studied harder.

一文目でwasが使われているのは、「背がもっと高ければなあ・・・」という現在に関する空想を、二文目でhad studiedが使われているのは、「もっと一生懸命勉強しておけばなあ・・・」という過去についての空想を表現するためです。このようにwishの目的語には仮定法が入るわけですが、ところで、これらの文において、wishesを過去時制のwishedに変えると、wasやhad studiedの部分はどうなるかでしょうか?要は時制の一致に関係する問題なのですが、まずはthinkを例に原則を確認しておきましょう。たとえば・・・

  • I think he is short.
  • She thinks he did his homework.

これらの文の時制を過去にずらし、「彼は背が低いなと私は思った。」という文と、「彼は(すでに)宿題をやったと彼女は考えた。」という文を作る際に・・・

  • I thought he is tall. (×)
  • She thought he did his homework. (×)

このように書いてしまうと間違いになります。正しくは・・・

  • I thought he was short. (○)
  • She thought he had done his homework. (○)

こうですね。「彼の背が低いか否か」というのは、I thought時点での話なわけで、現時点のことに言及しているわけではありませんから、isではなくwasを使用する必要があります。似たような感じで、「彼が宿題をやったか否か」というのは、She thought時点よりも過去(いわゆる大過去)の話ですから、didではなく、had doneとしてやる必要があります。これが、時制の一致の原則です。

  • He wishes he was taller.

さてさて、ここでwishの話に戻ります。この英文、冒頭にも書いたやつですが、時制を過去にして「彼はもっと背が高ければいいのになと思った。(過去に関する過去時点での空想)」という文を作ると、どうなるでしょうか?

  • He wished he had been taller. (?)

時制の一致の原則に則るのであれば、こうなりますよね。ですがこれは誤りです。実は、これでは「大過去に関する空想を過去時点で行っていること」になってしまうのです・・・。

  • He wished he had been taller. (×)

正しくは・・・

  • He wished he was taller. (○)

これが与えられた日本文を正しく反映した英文です。なんと、仮定法の文では時制の一致は起こらないのです。wishがwishedになったからと言って、その目的語部分のVの時制を一致させてはならないのです!気を付けましょう。

  • I wish I was taller.「(現時点に)もっと背が高ければなあと(今)思っている。」
  • I wish I had been taller.「(過去時点に)もっと背が高ければなあと(今)思っている。」
  • I wished I was taller.「(過去時点に)もっと背が高ければなあと(過去に)思った。」
  • I wished I had been taller.「(大過去時点に)もっと背が高ければなあと(過去に)思った。」

それでは問題に戻りましょう。問題。以下の英文をそれぞれ過去時制に変えよ。

  1. I think he is guilty.
  2. I wish he was guilty.

thinkの目的語としてある"he is guilty"は直接法の文です。よって時制の一致の影響を受けます。しかし、wishの目的語の"he was guilty"は仮定法の文です。よって、時制の一致をさせてはいけません。したがって、以下の2文が正解になります。

  1. I thought he was guilty.
  2. I wished he was guilty.

類題

問題。以下の英文をそれぞれ過去時制に変えよ。

  1. I think he did it.
  2. I wish he had done it.

答え↓

  1. I thought he had done it.
  2. I wished he had done it.

本日のまとめ

  • 「thought+過去形」の過去形は時制の一致
  • 「wished+過去形」の過去形は仮定法

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