whatとwhateverの違い[青稲塾そこ知り英文法060]

060-what-vs-whatever今日の「そこ知り英文法」はwhatとwhateverの違いについてです。それぞれ、関係代名詞のwhatと複合関係代名詞whateverのことです。よって、前回(関係代名詞と関係副詞の違い[青稲塾そこ知り英文法059])に引き続き関係詞の用法についてですね。さて、whatとwhateverの使い分け、直接聞かれることは少ないですが、あなたはしっかり理解していますか?たとえば"What he does is good."と"Whatever he does is good."の間にはどのような違いがあるのでしょう。キーワードは「the thing」と「anything」。それでは、いってみましょ〜。
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問題

問題。whatとwhateverから正しいものを選び、以下の英文の[ ]を埋めよ。

  1. He should be punished for [ ] he did.
  2. He should be punished [ ] he did.

答え↓

  1. what/whatever
  2. whateverのみ

解説

関係代名詞のwhatは"the thing(s) which"を意味します。前回説明した通り、「本来、関係代名詞は形容詞節を生み出し、それを先行詞にくっつける機能を持つ(単独で名詞節は作らない)」のですが、関係代名詞whatは例外的に名詞節を生み出すことが出来ます。これは関代whatが先行詞としてのthe thingを取り込んでいるからです。修飾される名詞+それを修飾する形容詞節=名詞節というわけですね。使用法は特段難しいわけではありません。たとえば「彼女の不用意な言葉が彼を怒らせた。」なんて文を関係代名詞のwhatを使って作ることが出来るのですが・・・

  • What she said in a careless way made him angry.

作り方は普通の関係代名詞と同じく、まずは「そのことが彼を怒らせた。」と「彼は不用意にそれを言ってしまった。」を原型としてスタートします。

  1. The thing made him angry.He said it in a careless way. 
    この2文が原型。
  2. The thing made him angry.He said which in a careless way. 
    itがwhichに変化!
  3. The thing made him angry. which he said in a careless way. 
    whichが2文目の先頭に移り形容詞節に!!
  4. The thing which he said in a careless way made him angry. 
    関係代名詞節を先行詞にくっつける!!!
  5. What he said in a careless way made him angry. 
    the thing whichがwhatに変化して完成!!!!

途中まで関係代名詞whichの文と同じように考え、最後にthe thing whichをwhatに変えるだけ。たったこれだけです。お手軽ですね〜。次は複合関係代名詞whateverの説明です。"the thing(s) which"を意味する関係代名詞whatに対し、"anything which"を意味するのが複合関係代名詞whateverです。こちらも使用法は簡単。たとえば「彼女の言うことのどれもが、彼を苛立たせる。」を訳すと↓になるのですが・・・

  • Whatever she says makes him irritated.

まずは「どれもが彼を苛立たせる。」と「彼女はそれを言う。」を原型としてスタートします。

  1. Anything makes him irritated. she says it.
    この2文が原型。
  2. Anything makes him irritated. she says that.
    itがthatに変化!
  3. Anything makes him irritated. that she says.
    thatが2文目の先頭に移り形容詞節に!!
  4. Anything that she says makes him irritated. 
    関係代名詞節を先行詞にくっつける!!!
  5. Whatever she says makes him irritated. 
    anything whichがwhateverに変化して完成!!!!

やはり、途中まで関係代名詞whichの文と同じように考え、最後にanything thatをwhateverに変えるだけで簡単に完成なわけです。whatとの相違点は、まずany「任意」のニュアンスが加わるという点。(anyのコア「任意」についてはsomeとanyの違い[青稲塾そこ知り英文法049]を参照)そして、whateverは副詞節も作ることが出来るという点です。これはwhatには出来ないのですが、たとえば「彼女が何を言ったとしても、彼は彼女を決して許さないだろう。」なんて文もwhateverなら作ることが出来るのです。

  • Whatever she says, he won't forgive her.
  • No matter what she says, he won't forgive her.

言い換え表現として習うのは"no matter what"ですが、譲歩的なニュアンスの副詞節を作れる遠因となるのはanyの持つ「任意」というニュアンスでしょう。「彼女の言うことは何でも」→「彼女の言うことはどのようなことであれ」→「彼女がどのようなことを言っても」。このように見ると、両者は「任意」という点において通底していることがわかります。

それでは、問題に戻ります。whatとwhateverから正しいものを選び、以下の英文の[ ]を埋めよ。

  1. He should be punished for [ ] he did.
  2. He should be punished [ ] he did.

前者の文は前置詞forの目的語に欠けがあります。そのため、そこを埋めるために名詞的なまとまり(=名詞節)を作らなければなりません。これはwhatとwhateverの双方が可能です。しかし、後者の文は[ ]以前には欠けが見当たりません。主語も目的語も揃っていますし、補語が必要な文型でもありません。そうした点と、直前に動詞表現が来ていることを合わせて考えるに、[ ]に始まる後半部分は副詞節である必要があります。ということで、後者の場合はwhateverのみが答えになります。

  1. He should be punished for [what/whatever ] he did.
  2. He should be punished [ whatever ] he did.

類題

"whatと"whatever"から[ ]に入るものを選び、英文を完成させましょう。

  • I had to do [ ] he told me to.

答え↓

  • I had to do [ what/whatever ] he told me to.

本日のまとめ

  • 関係代名詞のwhatは"the thing which"。名詞節を作る。
  • 複合関係詞のwhateverは"anything which"。名詞節・副詞節を作る。

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