形容詞の限定用法と叙述用法の違い[青稲塾そこ知り英文法015]

[015]限定用法 v.s. 叙述用法今日の「そこ知り英文法」は「形容詞の限定用法と叙述用法の違い」についてです。形容詞が名詞の左側にある場合(blue jeans「青いジーンズ」)、その形容詞は限定用法で使用されているということになります。対して名詞の右側にある場合(cats asleep「寝ている猫」や、He is asleep.「彼は眠っている」)、その形容詞は叙述用法で使用されています。今日は、presentなど置き所によって意味がガラッと変わる形容詞を例に、限定用法と叙述用法の意味の違いについて説明します。キーワードは「恒常的」と「一時的」。根本原理をしっかり学び、英語力に磨きをかけましょう!
前回の記事はこちら↓「そこ知り英文法シリーズ」まとめ記事はこちらから↓

出席している王様は・・・

次の和文を英訳しましょう。「出席している王様は皆、この上なく賢そうに見えた。」※「出席している」という表現には形容詞presentを使いましょう。

  • The present kings all looked extremely intelligent.
  • The kings present all looked extremely intelligent.

前者はpresentを限定用法で使用し、後者は叙述用法で使用しています。文法的に正しいのはどちらでしょうか?実は正解は下の叙述用法の語順なのです。学校では「名詞を修飾する形容詞は基本的にその名詞の前に置くよ」と習ったと思いますが、それはあくまでも「基本的に」であり、もちろん例外もまあそれなりにあるのです。

今日のポイント

ある形容詞を限定用法で使用する場合、その形容詞は名詞の恒常的な性質を表し、対比的・カテゴリー的なニュアンスが付加されます。対して、叙述用法で使用する場合、その形容詞は名詞の一時的な性質を表します。つまり、ある性質が「一定期間変わらない」という意味合いで使う場合は限定用法で、その性質は「その時点特有のものであり、いずれ変わり得るものなのだ」という認識で使う場合は叙述用法で使用するわけです。

  • the present kings「現在の諸王」
  • the kings present「出席している諸王」

「現在の」という表現は恒常的です。王様が、コロコロ変わったりはしないですよね。普通。その上、やはり現在という表現を使うときは、ほぼ必ず過去と対比的に見ているはずです。(現在と過去の王様を同じものとして捉えるときは、普通は単に「王様」と言います。)対して、「出席している」は一時的です。出席している状態から、そうでない状態へは比較的容易に、短時間で変化することができます。したがって、これはkingsの一時的状態を指していると考えられます。恒常的と一時的の違い、わかりましたでしょうか?ちなみに、この限定用法と叙述用法の違いは分詞にも適用することができます。

  • the dancing girl「その踊り子」
  • the girl dancing「その踊っている女の子」

純粋な形容詞と同様に、限定用法で分詞を使うと恒常的な意味合いが加わります。よって、前者の表現は、ただ一時的に踊るのではなく、たとえばそれを職業としているような、dancer的な女の子を意味することになります。対して後者は叙述用法なので、単に「そのときだけ一時的に踊っている女の子」ということになります。ところで、この説明に対して「私が過去に教わったのとは違う!」と思う方も多数いることかと思います。「分詞ひとつで修飾するなら名詞の前に、二語以上の場合は後ろに。」というルールを学校では覚えさせられますよね。しかし、これは「二語で使用するときは必ず叙述的な意味になり、一語で使用するなら恒常的意味合いになる確率が高い。」というだけのことなのです。実際以下のように、一語であろうとも後置しなければならない表現はいくつもあります。

  • The problem being discussed is too complicated for me to solve.
  • Each of the people questioned had different opinions.
  • Luckily, I got the ticket left.
  • Those People playing are all my friends! Let's support the team together!!

ちなみに、ディズニーの名作「眠れる森の美女」は英訳でsleeping beautyですが、これがbeauty sleepingなら、何の物語性もなくなってしまいますね。以下、限定用法と叙述用法で意味が変わる具体例をいくつか。参考にして下さい。

  • Spoken languages are more informal than written languages.
    「話し言葉は書き言葉よりもinformalだ。」
  • The language spoken can be the official languages.
    「話されている言葉が公式語になりうる。」
  • This used pen is not as expensive as that new one.
    「この中古のペンでしたら、あの新品ほどは高くありません。」
  • You must give the pen used back to me.
    「使用済みのペンは返却しなさい。」
  • He is a responsible man.
    「彼は信頼できる男だ。」
  • Sorry, the person responsible is out now.
    「申し訳ありません。責任者は今、外しております。」

本日のまとめ

  • 限定用法は恒常的
  • 叙述用法は一時的

形容詞・副詞について他にも学んでみよう!!

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