seeとlookの違い[青稲塾そこ知り英文法041]
問題
問題です。ある朝散歩をしていると、視界の端で何かが動いている。塀の上を泰然自若と動いているあれは・・・あ、ネコだ!このように、見るともなしに無意識に視界に入ってきたような場合、使う動詞はseeとlook atのどちらでしょうか?この状況を前提に「今朝猫を見た」を訳してみましょう。
- I saw a cat this morning.
- I looked at a cat this morning.
続いて第二問。ん?なんだろう??今度はネコが止まってしまいました。何をしているんだろう。気になって、その止まっている猫を意識的に見たとします。こんな場合は、seeとlook atのどちらを使えばいいでしょうか?
- I saw it .
- I looked at it.
解説
seeの中心的意味は「何かが視界に入ってくる」です。見るというよりは、見える。意識しなくても、視覚を通して自分の中に情報・絵・図などが入り込んでくる感じ。これがseeです。こうしたコアイメージから派生して「会う」という意味を持ったり、knowやunderstandに近い意味合いになったりもします。(知覚動詞と認識動詞の違い[青稲塾そこ知り英文法040]参照)
- I can see a whale!
クジラが見える! - I saw the movie last night.
昨晩、その映画見たよ。 - I'm seeing a doctor tomorrow.
明日医者に行く予定だ。 - I see you got a high score.
高得点だったらしいね。
対してlook (at)のコアは「視線を向ける」です。自分で意識的に対象を見ることを表す表現で、とりわけその対象が動きのないモノであるときよく使われます。
- Look at that!
あれを見て! - Mary looked at Harry with her eyes full of love.
Maryは瞳を愛で一杯にしてHarryを見つめた。 - Look at the bright side!
プラス思考だよ!
ちなみに、それぞれを知覚動詞として使用する際にも、当然この違いは適用されます。OC関係が視界に入ってきたときはseeを、自分から視界に捉えにいったならlook atを使用します。
- I saw at him eating something.
彼が何か食べてるのが目に入った。 - I looked at him eating something.
彼が何か食べてるのに目を向けてみた。
問題に戻ります。第一問は、「見るともなしに無意識に視界に入ってきた」わけですから、当然seeを使用します。対して第二問は「止まっているモノを意識的に見た」わけですから、look atを使います。簡単ですね。
- I saw a cat this morning.
- I looked at it.
ところで、seeとlook atを織り交ぜて以下のような文を作ることも出来ます。とある映画の一節なのですが、どのような意味になるか見当つきますか?
- I can see myself the way you look at me.
類題
以下の日本文を訳せ。
- 彼女の方を見たけれど、表情はわからなかった。
答えは↓
- I looked at her. But I coudn't see her face.
本日のまとめ
- seeのコアは「何かが視界に入る」。無意思。他動詞。
- lookのコアは「視線を向ける」。有意志。自動詞。