finallyとat lastの違い[青稲塾そこ知り英文法086]
問題
問題。語法的に正しいのは、以下の内どちら?
- Finally! I've found a job.
- At last! I've found a job.
答え↓
- 2。At last!
解説
日本語なら一つの表現で言い表せてしまうことも、英語では複数の表現を使い分けて表現しなければならないことがあります。「結局」という表現もその一つですが、前回までにそのうち3つ(after all, finally, eventually)について、比較しながら違いを説明してきました。ここまでで、疑問等ありませんでしょうか?(不安な人はこちら→after allとfinallyの違い[青稲塾そこ知り英文法031]、finallyとeventuallyの違い[青稲塾そこ知り英文法085]) 今日お話するのは、finallyとat lastの違いについてです。finallyとat lastは似通った表現であり、「結果に至る過程を長く感じるときに使う」という共通点があります。たとえば、両者とも「(ずっと探していた)鍵が出てきた」なんてことを表したいときに使えます。
- He has finally found the key.
- He has found the key at last.
しかし、両者には当然相違点もあります。finallyが「客観的」であるのに対し、at lastは「主観的」な感じのする語です。単に「時間が長い」ではなく、「長時間待ちわびている感じ」がat lastには漂います。上記の2文で言うと、前者が単に「鍵を見つけるのに時間が掛かったこと」を表しているのに対し、後者からは「長い間探していた鍵がやっと出てきた感じ」を受けます。at lastを使うときは、この「待ちわびている」というフィーリングが大切で、ここから「finallyは否定文でも使えるのに対し、at lastは否定文では使用できない」という重要な違いが生まれます。「待ちわびている」というポジティブなフィーリングには、否定文は合わないのです。
- He hasn't finally found the key. (○)
- He hasn't found the key at last. (×)
さらに、at lastには「!(exclamation mark)を付けて、感嘆文を作ることができる」という性質がありますが、finallyにはありません。これも「主観」と「客観」の違いに由来したものです。ちなみに、以下はすべて「heが退学になったこと」を表しますが、at lastを使っている以上それを「待ちわびていた感」が生じるので、「発話者はheとあまり仲が良くない」ということが暗に伝わってきます。
- Finally! He has dropped out of school. (×)
- He has finally dropped out of school! ~ (×)
- At last! He has dropped out of school. (○)
- He has dropped out of school at last! (○)
このように、finallyは「客観的」だからこそ、肯定・否定どちらでも使用可能であり、感嘆文では使用不可であり、at lastは「主観的」だからこそ、否定文では使用不可で、感嘆文では使用可能というわけです。それでは問題に戻りましょう。問題。語法的に正しいのは、以下の内どちら?
- Finally! I've found a job.
- At last! I've found a job
「!」に注目です。これは「客観的×長時間」のfinallyとは併用できない表現です。したがって、「主観的×長時間」のat lastが入った2番が正解になります。
類題
問題。文法的に正しいのは、以下の内どちら?
- The japan national football team has finally won a ticket to the world cup!
- The japan national football team has won a ticket to the world cup at last!
答え↓
- 2。at last!
本日のまとめ
- finallyは「客観的」
- at lastは「主観的」