after allとfinallyの違い[青稲塾そこ知り英文法031]
問題
問題です。「彼はやると言ったのに、結局は出来なかった」を英訳すると、正しいのは次のうちどちら?
- He said he would do that. He couldn't, after all.
- He said he would do that. He finally couldn't.
後者と答えた方、あるいは違いがわからなかった方。残念。正解は前者です。after allもfinallyも同じように「結局」と訳せますが、実は使い方は全く異なるのです。
解説
after allは「予測・期待・評判に反して」を意味します。「ある時点ではAだった(だと思ってた・言われてた)けど、色々あって今は Aじゃない」という状況を表したいときにafter allは使われます。たとえば、「(初めは一番下手だったのに)結局今では彼が10番だ」なんて言う場合などですね。
- He plays at no.10 after all.
ちなみに、after allは「自分の主張をバックアップする根拠を導入・強調したい」ときにも使われます。たとえば「ちゃんと勉強した方がいいよ。だってさ、忘れちゃいけないのはテストは10日後ってことさ」
- You should study hard. After all, the exam will be in 10 days.
対してfinallyは「長い時間を経て」という意味です。「だいたいこれくらい掛かるだろうな〜、これぐらいであって欲しいな〜って考えていた時間を越えて、ようやく何かが起こった」という状況で使用します。たとえば、「(彼はここのところずっと職を探していて)ようやく、仕事に就けることになった」なんて言う時ですね。
- He has finally found a job.
他にも、「要点列挙を終わらせるとき」などにも使えます。「(彼が女の子にモテる理由は3つある。)一点目に頭が良いこと。そして二点目にサッカーが得意であること。そして最後に、彼は顔が良いからだ。」こんなときにもfinallyは使えるんですね。ちなみに、これはlastlyとかでも代用できます。
- First he's smart. Second he's good at football. Finally he is good-looking.
どうでしょうか。after allとfinallyの使い方、理解できましたか?さて、それでは問題に戻ります。問題の日本文は「彼はやると言ったのに、結局は出来なかった」でしたね。これは「ある時点ではAだった(だと思ってた・言われてた)けど、色々あって今は Aじゃない」ということですよね。したがって、この場合はafter allを使うのが適切です。
- He said he would do that. He couldn't, after all.
類題
それでは以下の日本文をafter allかfinallyを使って英訳してみましょう。
- (落ちると思ってたのに)結局合格だった。
- (何回も受験して)結局なんとか合格できた。
- (掃除しようぜ!)結局誰かがやらなきゃいけないんだしさ。
答えは↓。
- He passed the exam after all.
- He finally managed to pass the exam.
- After all, someone has to do it.
本日のまとめ
- after allは「予想・期待・評判などに反して」あるいは、「自説のバックアップの導入」
- finallyは「長い時間を経て」あるいは、「要点列挙の〆」