anotherとthe otherの違い[青稲塾そこ知り英文法008]
もう一人は女の子
「僕には兄弟(sibling)が二人いるんだ。一人は男の子でね、もう一人は女の子なんだ。」これを英訳してみましょう。・・・・・・・・・書けましたか?おそらく次のどちらかになったと思うのですが、どうでしょうか。どちらを書きましたか?
- I have two siblings. One is a boy, another is a girl.
- I have two siblings. One is a boy, the other is a girl.
異なるのは、前者ではanotherを、後者ではthe otherを使っている点ですね。答えは後者です。根拠ありで正解した人はお見事。それではこれを踏まえて「私にはお気に入りのバッグが3つあって、1つは青、もう一つは赤、残りは黄色なの」を英訳してみましょう。間違えた人も正解した人もですよ。どうでしょうか。どうなるかわかりますか?
今日のポイント
ところで、anotherとthe other、よく似ていると思いませんか?そもそもanotherはan otherが縮まってできた語で、したがってもとを辿るとan otherとthe otherの両者ともotherに冠詞が付いた表現なわけです。よって、その違いは共通部分であるotherを除いてやることで見えてきます。つまり、anotherとthe otherの違いはanとtheの違いに還元することが出来るのです。さて、それではan/aとtheの違いってなんでしょうか?an/aの中心的意味は「複数ある中の1つ」です。背景に複数ある中からテキトーに1つ抽出するイメージで、不特定単数を指すときに使われます。対して、theの中心的意味は「唯一・他にはない」です。状況からしてそれ以外にはないというイメージで、特定単数(または特定複数)に使われます。
- I had a hamburger yesterday.
- The hamburger was very good.
anotherとthe otherの違いもこれと同じです。不特定ならanotherを、特定ならthe otherを使います。ここで先ほどの問題に戻って考えてみましょう。「兄弟が二人いる。そこから一人を選んで、それが男の子だと説明した。この段階で残っているのは一人しかいない。ということは、誰のことを指しているか特定できる!」だからこそ先程の文ではthe otherを使ったわけです。・・・さて、それではこれを踏まえた上で「私にはお気に入りのバッグが3つあって、1つは青、もう一つは赤、残りは黄色なの。」を再度考えてみましょう。
- I have 3 favorite bags. One is blue...
まずここまでは大丈夫ですよね。問題はここからです。全体として3つあり、その中のoneが青だと説明しました。現時点では残りが2。つまり、「複数残っているうちから1つを選び、それが赤だ。」と言いたいわけですから・・・
- One is blue,another is red...
anotherを使うわけですね。さらに、3からoneがなくなって、anotherがなくなったら、残りはたった1つ、これ以外にはないですよね。「特定可能なひとつ。それ以外ありえない。」というわけで、the otherを使えばいいわけです。
- I have 3 favorite bags.
- One is blue,another is red and the other is yellow.
複数の場合も同じように考えます。不特定複数ならothersを特定複数ならthe othersを使います。
- Some students love math, others hate it.
- These are mine, the others are yours.
前者は「数学大好きな生徒もいれば、大嫌いな生徒もいる。(どちらでもない生徒もいる。)」後者は「これらは俺ので、残り全部おまえのだ。」という意味になります。theのイメージ「それ以外ない」から、「残り全て」の意味になるわけですね。
本日のまとめ
- anotherとthe otherの違いはaとtheの違い
- aは「複数ある中の1つ」
- theは「唯一・他にない」