as~as any…とas~as ever …の違い[青稲塾そこ知り英文法079]
問題
問題。下の英文は「彼は史上まれに見る偉大な芸術家だ。」を英訳したものです。おかしな点があれば訂正しましょう。
- He is as great an artist as any.
答え↓
- He is as great an artist as ever lived.
解説
高校性になり比較を学ぶ際に、同等比較(as~as...構文)を使用して、形容詞or副詞の意味を強める方法を学びます。"as~as any..."や"as~as ever ..."です。
- He is as clever as any.
- He is as great a poet as ever lived.
両方とも「きわめて」という意味を持つ類似表現だと学校では教わると思いますが、しかし、ニュアンスに若干の違いがあるのです。前者は「cleverという尺度において、Heとany (person)の程度が同じであること」を示す表現です。someとanyの違い[青稲塾そこ知り英文法049]でもお話した通り、anyが表すのは任意です。比較対象に誰を取ったとしても、同程度、少なくとも「引けを取ることがない」ということですから、つまり「彼は誰にも劣らぬほどcleverである。」という意味になります。
- He is as clever as any.
対して、後者の表現は「great a poetという尺度において、Heとever livedの程度が同じであること」を示します。everは"at any time"を、つまり時間的任意「いつなのかに関係なく」を表すので、この文は「時代がいつなのかに関係なく、これまでに生きていた人」と比較し、その程度が誰にも負けることがないということを言っているわけです。よって、その成り立ちを加味すると「彼は史上まれに見る素晴らしい詩人だ。」という訳になります。
- He is as great a poet as ever lived.
なお、"as ~ as ever..."に似た表現に"as ~ as ever"がありますが、こちらは「相変わらず」を表します。混同しないよう気を付けましょう。
- He works as hard as ever.
たとえば、この文ですが「彼はきわめて一生懸命に働く。」とすると誤訳になります。正しくは「彼は相変わらず一生懸命に働く。」となります。この場合の比較対象は「これまでのHe」です。過去において、一生懸命に働いているタイミングがあり、その時のHeと同じくらい、今のHeが一生懸命に働いているということを表します。「あいつ一生懸命に働いてたな」+「今も同じくらい一生懸命だな」=「相変わらず一生懸命」。
それでは問題に戻ります。問題。下の英文は「彼は史上まれに見る偉大な芸術家だ。」を英訳したものです。おかしな点があれば訂正しましょう。
- He is as great an artist as any.
「史上まれに見る」という訳語から考える限り、比較しているのは「これまでに生きていた誰か」です。時間的任意を表すのはeverなので、これを正確に反映させると以下の英文が正しくなります。
- He is as great an artist as ever lived.
類題
問題。下の英文は「彼はきわめて偉大な建築家だ。」を英訳したものです。おかしな点があれば訂正しましょう。
- He is as great an architect as ever.
答え↓
- He is as great an architect as ever lived.
- He is as great an architect as any.
本日のまとめ
- "as~as any..."は「あらゆる人(モノ・コト)との比較」→「誰(何)にも負けず劣らず」
- "as~as ever lived"は「今まで存在したあらゆる人(モノ・コト)との比較」→「史上まれに見る」
- "as~as ever"は「かつての自分との比較」→「相変わらず」