canとmayの違い[青稲塾そこ知り英文法011]
「自学の心得リライトver.」を書き終えましたので、今日から「そこ知り英文法」シリーズを再開します。再会一発目は「canとmayの違い」について。canは能力でmayは許可。両者とも可能性に対して言及できるという共通点があり、その場合「〜がありうる・〜しうる」に対して「〜かもしれない」と訳し分ける。ここまでは学校で習うと思ますが、今日のテーマは特にこの「可能性への言及」についてです。実は、日本語における「ありうる」・「かもしれない」の違いと、英語におけるcan・mayの違いには少しズレがあるのです。キーワードは「一般」と「特殊」。前回の記事はこちら↓「自学の心得シリーズまとめ」はこちら↓「そこ知り英文法シリーズまとめ」はこちら↓
与えられる情報が間違いの可能性もあります。
「与えられる情報が間違いの可能性もあります」を英訳してください。あえて、日本文を「ありうる」と「かもしれない」から外してみましたがどうでしょうか。以下のうち、どちらが正しいかわかりますか?
- Information given can be wrong.
- The information given may be wrong.
実はどちらも正解ですが、使い所が異なります。「与えられる情報には(一般的に)間違いがある可能性がある。」と言いたければ前者を、「すでに与えられたその(特定の)情報には間違いがある可能性がある。」と言いたければ後者を使います。使い分けの鍵はmostとmost ofの違い[青稲塾そこ知り英文法007]でも説明したgeneral(一般)とparticular(特殊)にあります。
今日のポイント
日本語における「ありうる」と「かもしれない」の違いってなんでしょうか?たとえば、「あいつが犯人ということもありうる。」と「あいつが犯人かもしれない。」。「雨が降るということもありうる」と「雨が降るかもしれない」。「それが間違いということもありうる。」と「それは間違いかもしれない。」などなど。こう並べてみると前者の方が固く、後者の方が柔らかい印象を受けると思います。日本語における「ありうる」と「かもしれない」の判断基準には「formalかinformalか」がそれなりの意味を持つようです。対して、「canかmayか」の判断基準は「general(一般)かparticular(特殊)か」です。いつであるかを問わず何かが起こる、一般可能性の話をしたいときはcanで、対して特定の状況において何かが起こりうる、つまり個別可能性について言及したいときにはmayを使用します。
- It can rain heavily here.
- It may rain heavily tomorrow.
- We all can make mistakes.
- John may make mistakes in the next exam.
- Taking drugs can do you harm.
- Taking the drug may do you harm.
本日のまとめ
- canは一般的な実現可能性
- mayは個別的な実現可能性