everyとeachの違い[青稲塾そこ知り英文法034]
問題
問題です。「どの女の子も、自分の一番お気に入りの服装をしていた」を英訳すると正しいのは以下のうちどちらでしょうか?
- Every girl wore the most favorite clothes.
- Each girl wore the most favorite clothes.
よ〜く考えてみて下さい。自分なりの答えが出たら解説へどうぞ。
解説
まずは簡単な違いから。everyとeachは扱える数の下限に違いがあります。everyは最低3つから、eachは2つから表すことが出来ます。つまり、「両者」の意味ではeachだけしか使うことが出来ません。
- Every team aimed at winning the tournament.
- Each team has nine players in baseball.
次に意味・ニュアンス上の違いです。両者とも「集合の構成要素全て」を表す点では変わりありません(「allとeveryの違い」参照)が、「集合の構成要素間に共通点」を見出すならeveryを、「集合の構成要素間に相違点」を見るならばeachを使用します。つまり、everyは同質性を、eachは異質性を暗示するわけですが、たとえば「allとeveryの違い」で取り上げた「どんな小さなものでも役に立つ」を参考に考えてみましょう。
- Every little bit helps.
これは「漠然と集合全体を見ているわけではなく、具体的に構成要素全体を意識している」という点においてallではなかったわけですが、「A,B,C....のどれも同じように役に立つ」つまり「構成要素間に相違点より、共通点を見ている」という点においてeachでもないわけです。したがって、やはりこの場合はeveryが最適なわけです。それでは、eachを使用するタイミングはいつなのだという話ですが、たとえば以下のような場合です。
- Each child is different.
- Each man entered the bathroom in turn.
これらはdifferentやin turnとあることからもわかるように、皆が同じ性質を持っている・同じことをするということではありません。「A君はA'、BさんはB’、CちゃんはC’のように、それぞれ違うパーソナリティを持っている」「Aが出てきたタイミングで、Bが入り、Bが出てきてCが入った」などのように、違う性質を持った人を個別的に見ている状況です。こうした場合こそが、eachを使う適切なタイミングなのです。ちなみに、上で取り上げた「everyは二者には使えない」というルールも、「二者の場合は共通点よりも相違点に目が行きやすく、その場合共通点を暗示するeveryとは合わない」ということでしょう。それでは、問題に戻ります。
- Every girl wore the most favorite clothes.
- Each girl wore the most favorite clothes.
「どの女の子も、自分の一番お気に入りの服装をしていた」を英訳したらどちらが正しいのかですが、結論から言うと、実はどちらでも言えてしまいます。しかし、そこに含まれるニュアンスが微妙に異なるのです。前者の英文で書かれているとしたら、それは共通点に着目した感じになります。「Aも一番お気に入りの服装を、Bも一番お気に入りの服装を、Cも一番お気に入りの服装を、DもEもFも・・・どの女の子も一番お気に入りの服装をしている」という同質性に着目した表現です。対して、後者の場合は異質性を暗示します。「AはA'、BはB'、CはC’な一番気に入ってる服装をそれぞれ三者三様に着こなしていた」といった感じになります。それぞれ別々な娘がそれぞれに個性的な服装をしているイメージですね。
類題
「もしあなたが毎日勉強すれば、日ごとに賢くなるでしょう」をeveryとeachを一回ずつ使用して英語で表現しましょう。答えは↓。
- If you study every day, you will get more intelligent each day.
(毎日同じように勉強を続ければ、一日一日ごとに賢くなってゆくだろう)
本日のまとめ
- everyは「集合の構成要素間に共通点」を見る
- eachは「集合の構成要素間に相違点」を見る