lookとwatchの違い[青稲塾そこ知り英文法042]

042-look-vs-watch今日の「そこ知り英文法」はlookとwatchの違いについてです。昨日(seeとlookの違い[青稲塾そこ知り英文法041])に続き「見る」シリーズです。「動きのあるモノ」を「見る」場合、「動きのないモノ」を「見る」場合、日本語では同じ「見る」だけど、英語では違う単語を使わなければならないこと、あなたは知っていましたか?実はlook at the catとwatch the catでは、それぞれthe catの状態が違うのです!!
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問題

問題。ある朝散歩をしていると、視界の端にネコが。何やら塀の上で毛づくろいをしているみたい。かわいいなぁ。癒やされながら見るも束の間、急に立ち上がり走り去るネコ。「ああ。行っちゃったか・・・」と思いながらも、その後ろ姿を見続ける私。そして・・・。さてさて、ここでいうところの「視界の端にネコ」「癒され見る」「後ろ姿を見続ける」は全て「ネコを見ている」わけですが、しかしこれらの「見る」は英語の場合それぞれ違う動詞で表現されることになります。状況に合った「猫を見た」にするには、see,look at, watchのうちどれを選ぶべき?

  1. I [ ] a cat.
    視界にネコが。
  2. I [ ] the cat.
    毛づくろいするネコを。
  3. I [ ] it.
    走り去るネコを。

答え↓

  1. saw
  2. looked at
  3. watched

解説

look (at)のコアは前回説明した通り「視線を向ける」です。自分から意識的に対象を見ることを表す表現で、とりわけその対象が動きの少ないモノであるときよく使われます。たとえば、look at the birdならthe birdは飛んでいるわけではなく、恐らく木に止まるかなにかで、動きがない状態であるということになります。

  • Look at that!
    あれを見て!
  • Mary looked at Harry with her eyes full of love.
    Maryは瞳を愛で一杯にしてHarryを見つめた。
  • Look at the bright side!
    プラス思考だよ!

対してwatchの中心的意味は注視するです。動きのあるモノ、これから変化が起こりそうなモノ意識的にじっと見るときに使われます。look atとの大きな違いは対象に動きがある点ですね。たとえばwatch the birdならthe birdは恐らく飛んでいて、動きがある状態ということになります。転じて「(動きのあるモノ、あるいはこれから動きそうなモノに)注意する」という意味で使われることもあります。watch your headは「(何か落ちてくるかも)頭上に気を付けて!」であり、「頭を見て」(look at your head)ということではありません。ちなみに、前回話したsee a/the movieは実は映画館などで「映画を見る」という表現ですが、家などで見るときは通常watch a/the movieを使います。視界いっぱいに広がるスクリーンは普通の家にはないですからね。

  • Oscar usually watches football every weekend.
    Oscarは毎週末サッカー観戦をする。
  • Watch your step!
    足元に気を付けて!
  • I'm watching a movie now.
    今映画を見てるとこ。

ところで、watch TV「テレビを見る」という表現を中学で覚えさせられた人も多いかと思いますが、なぜ動詞にwatchを使い、目的語に無冠詞のTVを置くのか考えたことはありますか?これにもしっかり理由があるのです。まず「なぜTVなのか」なのですが、名詞を無冠詞で使うとその名詞の抽象的側面にフォーカスした意味合いを表すことができます。(go to schoolとgo to the schoolの違い[青稲塾そこ知り英文法005]参照)そして、この場合はTVに「テレビに移るイメージや情報」という抽象的意味を与えたいがために、TVを単数無冠詞で使用しているのです。次に「なぜwatchなのか」ですが、テレビ画面・映像は「勝手に視界に入ってくるモノ」でも、「動きのないモノ」でもありません。自分の意志でじっと見つめる動きのあるモノです。これを対象とする「見る」はwatchしかありえないわけです。かくして、「テレビが受信する映像を見る」ということを表したい場合にはwatch TVを使うわけです。ちなみに「箱としてのテレビ(動きのないモノ)を見る」と言いたければ、look at a/the TVを使います。

  • Watch TV right now!
    今すぐテレビ見て!
  • Look at the TV.
    テレビの方を見て。

もちろん、look atとwatchの違いは知覚動詞として使用される場合にも受け継がれます。OC関係に置けるCが比較的動きのないことを表す動詞表現ならばlook atを、動きがあることを表すならばwatchを使用します。

  • I looked at Olivia lying on the bed.
    ベッドにOliviaが横たわっているのに目を向けた。
  • Jack looked at Amelia eating in a polite way.
    JackはAmeliaが上品に食事をする様を見た。
  • I watched Thomas running over there.
    Thomasが向こうを走っているのをじっと見ていた。
  • I was watching Oliver playing football.
    Oliverがサッカーをしているのを見ているところだった。

それでは問題に戻りましょう。第一問は、「視界に入ってくる」ことを表すのですからseeを使います。第二問は「毛づくろい=大きな動きのないモノを見る」なのでlook atを、第三問は「走り去る=動いているモノを見る」なのでwatchを使用します。

  1. I [ saw ] a cat.
  2. I [ looked at ] the cat.
  3. I [ watched ] it.

類題

類題。look atとwatchの特徴に基づき、以下の空欄をそのどちらかを使用し埋めよ。なお、動詞の形は適切なものに変えること。

  • George [ ] someone sleeping on my bed then.

答えは↓

  • looked at

本日のまとめ

  • look atのコアは「視線を向ける」。有意志。動きのない・小さいモノを目的語に取る。
  • watchのコアは「注視」。有意思。動きの大きい・動きがありそうなモノを目的語に取る。

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