mustとhave toの違いについて[青稲塾そこ知り英文法004]
must
まずはmustの確認から。
- I must meet him !
- You mustn’t tell anyone !!
- He must be tired.
上から「彼に合わなきゃ!」「誰にも言っちゃダメ!!」「彼は疲れているに違いない」ですね。mustは発言者が「絶対にそうだ!」と思っているときに使われます。否定文にすると「絶対にnotだ!」ということなので、ここから「禁止」の意味合いにつながるわけです。must自体には過去形も、もちろん未来形もありません。まあ問題ないですよね。
have to
次にhave toの確認です。
- I have to meet him.
- You don’t have to tell anyone!!
- He has to be tired.
もちろん、上から「彼に合わなければならない」「誰にもいう必要はないよ(言いたいなら言ってもいい)」「彼は疲れているに違いない」です。ほぼmustと同じ使い方ができますが、mustn’tと don’t have toには大きく違いがあることには要注意です。(まあ、これも中学レベルですが。)ちなみにhave toは不定詞に由来します。「これからやるべき〜なことを持っている。やるべきことが自分の中にある」という表現が一般化し、助動詞として定着したのです。「これからやるべき〜なことがない」から「〜する必要がない」への変化。そういった視点からdon't have toを見直してみると、mustn'tとの意味の違いが理解できるのではないでしょうか。なお、過去について言及したければhad toを、未来についてはwill have toやbe going to have toなどを使います。
- I had to go to the doctor yesterday.
- You will have to phone her tomorrow.
今日のポイント
ここまでは中学レベルの復習なのできっと問題なかったと思いますが、さて、ここからが今日のポイントです。上で説明したように、それぞれの否定文については大きな違いがあり、意味が真逆になってしまうことから学校でもよくやるのですが、それではmustとhave toをそれぞれ肯定文で使用したとき、たとえば以下のような文には違いがあるのでしょうか?
- I must go.
- I have to go.
実はあるのです。mustはwillやcanと同じく、助動詞の中でもさらに法助動詞というグループに分類されます。この法助動詞というのは、対応する熟語的な助動詞に比して、全て主観的なニュアンスを持っています。つまり、前者は「絶対に行かないといけない。(と私が思っている)」ということを表したいときの表現になります。積極的に自分の意志でもって行くことを決めた場合の表現です。対して、have toは、客観的に見てそれ以外には道がないのようなイメージです。発言者の意志とはあまり関係ありません。どちらかと言うと消極的な感じで、「(状況から考えると)行かなくてはならない。」といった感じです。さて、それではこれをもとにして以下の状況を考えてみましょう。「(好きな人とのデート。午前中から待ち合わせ、一日中遊び、時間はあっという間に過ぎ、時計を見ると夜の11時。それでもまだ名残惜しくて、)・・・けどそろそろ帰らなきゃ」このような状況に置かれたら、must goとhave to goのどちらが適切でしょうか?
- I have to go.
ここでは、名残惜しさを出すために、have toがより適切ということになります。かといって、mustでは通じないというわけでもないですが。
本日のまとめ
- mustは主観的・積極的
- have toは客観的・消極的