今日の「そこ知り英文法」は「shouldとhad betterの違い」についてです。shouldは「すべき」、had betterは「したほうがよい」。学校では従来、このように教えられてきました。両者の間には大した違いはないということで、筆者が高校生の頃には、この2つの書き換え問題を解いたことさえあります。しかし実は、両者は決定的に異なります。その上、意味も従来の訳語とは真逆なのです。キーワードは「助言と警告」、そして「一般と個別」。それでは、いってみましょ〜。前回の記事はこちら↓
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問題
問題。語法的に適切なのはどちらの英文?
- Teachers shouldn’t impose physical punishment.
- Teachers had better not impose physical punishment.
答え↓
- 前者。should。
解説
mustとshouldの違い[青稲塾そこ知り英文法058]の中でもチラッと触れましたが、shouldが表すのは「助言」です。学校では「すべき」と教えられ、その訳語の強さから誤解されがちなのですが、同時期に習うmustほど強制力がある言葉ではありません。現代の感覚で言うと「した方がいいよ〜」くらいの感覚です。
- You should move the chair.
- You shouldn’t do that.
- Teachers should study more.
対して、had betterが表すのは「忠告・警告」の類です。緊急性が高く・高圧的な感じで、「〜した方がいい(さもなければ・・・)」というように、それをしなかった際に問題が生じるというニュアンスが、had betterには含まれています。最近は学校でもここまでは解説するようになってきたようですが、実はhad betterにはもう一つ重要なルールがあります。なんとこれ、個別具体的な状況にしか使うことが出来ないのです。よって、一般論を言いたければ、shouldを使う必要があります。(ちなみに、shouldはどちらの状況にも使用可能)
- You had better move the chair.
- You had better not do that.
- Teachers had better study more. (×)
このように、強制力のない「助言」を行ないたい場合はshouldを、強制力ありの「警告」を特定の状況で行ないたい場合はhad betterを使いましょう。それでは問題に戻ります。問題。語法的に適切なのはどちらの英文?
- Teachers shouldn’t impose physical punishment.
- Teachers had better not impose physical punishment.
前後の文脈を欠いているので、この発言が「助言」なのか「警告」なのかを見分けることは出来ません。しかし、主語に注目してみて下さい。Teachersです。A teacherでもThe teacherでもThe teachersでもなく、Teacersです。ということは、ココで指している「教師」は教師全般ということになりますね。(“I like dogs.”「犬全般が好き」とかと同種の-sです。)つまり「教師というものは、体罰をしてはならない」という一般論を展開しているわけですから、個別具体的にしか使えないhad betterを使うことは出来ないのです。したがって、正解は「前者。should。」となります。
類題
問題。should・had betterから正しいものを選び、[ ]を埋め、文法的に正しい英文を作りましょう。
- You are always at home. You [ ] go out more often.
- You are always at home. You [ ] go out now!
答え↓
- should。
- 両方。
本日のまとめ
- shouldは「助言」。
- had betterは「警告」。個別具体的な状況に使う。