sinceとbecauseの違い[青稲塾そこ知り英文法019]
土砂降りだから・・・
問題です。台風が近づいていて、外は土砂降り。当然外出できるわけもなく、今日は引きこもって映画でも見ようと思っていた矢先、アホな友人から「今日飲みに行こうぜ!!」と電話が・・・。これに対して「土砂降りだから、飲みにはいけないよ」と返答する時、より適切なのはは以下の内どちら?
- Since it's raining cats and dogs, I can't go out for a drink.
- Because it's raining cats and dogs, I can't go out for a drink.
実はこれ、両方とも不自然な文なのです。したがって、どちらがより自然かの程度問題なのですが、この場合はどちらかと言えばbecauseの方が適切。ちなみに、この場合はsoを使うことで自然な表現になります。
- It's raining cats and dogs, so I can't go out for a drink.
今日のポイント
sinceとbecauseの違いは大きく分けて2点あります。1つめはformal度の違いです。sinceはformalな場合、たとえば書き言葉や演説などで使われることが多い単語です。becauseはよりinformalで日常会話の中に頻発します。この考え方で行けば、↑の英文は日常会話ですので、becauseを使用したほうがbetterということになります。
- Since the plague spread quickly, a huge number of people passed away.
- Because the flu's going around, you shouldn't go out.
対して2点目は、情報の重点に関するものです。since,becauseを使うタイミングは、ともに広い意味での因果関係を説明する時ですが、原因と結果のどちらによりウェイトが置かれているのかによって、sinceとbecauseを使い分ける必要があるのです。たとえば、先ほどの状況だと、「雨が降っているので」という理由部分は相手も知っていることですし、一番伝えたいのは「飲みには行けない」という結果部分ですよね。このように結果部分により比重を持たせたい場合にはsinceを使うのが適切です。対して原因部分に比重がある場合にはbecauseを使用します。たとえば、「あなたが遊べない」ことを相手があらかじめ知っていて、それに対して再度理由をメインに伝え直したい場合はbecauseを使います。このタイミングでは、相手が知らないのは理由部分で、発話者もそこが大切だと考えているはずですからね。ちなみに、相手の知らない情報、重要な情報は文の後半に来る傾向があるので、sinceの節は主節よりも前に来るのが一般的です。「because節の内容が一番重要!」と考える場合は、because節は大抵の場合主節よりも後ろに来ることが多いです。まあ絶対ではないですが、そのような傾向があると知っておくと、英作文や長文読解で利用することができます。
- Since the company developed the method, they piled up a mass of wealth.
- She's coming too, because the man she fell in love with is coming tonight.
ということで、「formalか否か」を判断基準にすればbecauseが、「情報として重要かどうか」を判断基準にすればsinceが適切ということでした〜。以下、情報の重要度に関する使い分けについての仮説です。興味がない人は飛ばして下さい。sinceは「〜以来現在まで」という意味を持つことからもわかるように、過去においてこういうことがあり、それが今につながるという時間的順序を内包します。しかも、過去にそうだったことを引き合いに出し、現在の状況を説明する時に使われる表現なので、結局大切なのは今なわけです。ところで、因果関係は、普通過去に起こったことが原因となり、それよりも未来のことが結果として生じますよね。こうしてみると、理由(比較的過去のこと)よりも結果(比較的未来のこと)にウェイトが置かれる際に、sinceが好まれる理由も見えてくるのではないでしょうか。対してbecauseはby cause「原因によって」が縮まった表現で、つまり「原因の詳述」が本来の意味です。原因専門の表現であり、したがって原因にウェイトが置かれる場合に好んで使われるのではないでしょうか。
本日のまとめ
- sinceはformal。理由よりも結果に比重が置かれる際に使う。
- becauseはinformal。結果よりも理由に比重が置かれる際に使う。