time for you to goとtime you wentの違い[青稲塾そこ知り英文法062]
※go to bedのbedにtheが付かない理由はgo to schoolとgo to the schoolの違い[青稲塾そこ知り英文法005]からどうぞ。前回の記事はこちら↓go to bedのbedにtheが付かない理由はこちら↓「そこ知り英文法シリーズ」まとめ記事はこちらから↓
問題
問題。小学6年生のBobが遅くまでスマホをいじって遊んでいます。本来なら夜9時が就寝時刻にも関わらず、現在は夜10時。明日も学校。流石にもう寝かさなければ。さて、Bobのお母さんのBobへのセリフとして適切なのは以下のうちどちら?
- It's time for you to go to bed.
- It's time you went to bed.
答え↓
- 後者。It's time you went to bed.
解説
問題の英文の違いは、不定詞と仮定法の違いです。前者の英文は"It's time."「時間だよ」に"for you to go to bed"という形容詞句が掛かった形です。その中核となる不定詞は「to+動詞の原形」で表されます。現在単純形と現在進行形の違い[青稲塾そこ知り英文法009]や動名詞と不定詞の違い[青稲塾そこ知り英文法010]などで説明した通り、動詞の原形の根本的なイメージは「未確定」であり、したがって「to+動詞の原形」は「まだやってないことへの接続=まだしてないけどやがてする」がその本質です。よって、前者の例文は「寝る時間だよ」くらいのニュアンスになります。
- It's time for you to go to bed.
対して後者の英文は"It's time."「時間だよ」に"you went to bed"という形容詞節が掛かった形です。ちなみに、timeとyouの間には関係副詞whenが省略されています。あまり見ない形ですが省略を補うと・・・
- It's time when you went to bed.
こうなります。さて、問題は"you went"の部分です。もちろん主語がyou、対応する述語動詞がwentですが、この過去形wentは過去時制を表しているわけではありません。仮定法を表す過去形です。実は、過去形は以下の3パターンで使われます。
- 過去時制
- 仮定法
- 丁寧表現
共通するイメージは「距離」。過去時制「現在との距離」・仮定法「現実との距離」・丁寧表現「相手との距離」はすべて、過去形を使って表現することが出来るのです。ちなみに、他の動詞形(現在形「不変」・原形「未確定」・ing形「動的」・過去分詞形「静的」)については現在単純形と現在進行形の違い[青稲塾そこ知り英文法009]や動名詞と不定詞の違い[青稲塾そこ知り英文法010]を参照下さい。
- It's time you went to bed.
この英文における過去形が表すのは、仮定法(現実との距離)です。つまり、この文には「本来すでにgo to bedしているはずなのに、まだそうしてない!」というニュアンスが込められているわけで、to不定詞の文の「寝る時間だよ」に対して、「もう寝ているはずの時間でしょう」が違いを反映させた訳となります。前者が「まさにそういう時間だ」と客観的事実を述べるのに使われるのに対し、後者には「(現実はそうなっていないけど)本来はそうであるべき時間だ」という含みがあるわけで、この表現は相手に対する不満を表したり、自覚を促したりする際に好んで使われるわけです。
類題
小学6年生のBobが遅くまでスマホをいじって遊んでいます。就寝時刻は夜の9時。時計を見ると、今は夜9時前後。そろそろ寝る時間です。さてこのタイミングで、Bobのお母さんのセリフとして適切なのは以下うちのどちら?
- It's time for you to go to bed.
- It's time you went to bed.
答え↓
- 前者。It's time for you to go to bed.
本日のまとめ
- 動詞の原形の根本イメージは「未確定」、過去形は「距離」。
- 過去形の「距離」は三種類。現在との距離(過去時制)・現実との距離(仮定法)・相手との距離(丁寧表現)を表す。
- "It's time for someone to原形."は時間ぴったり、客観的事実を言うときに使う。
- "It's time someone 過去形."はそうあるはずのタイミングから遅れている。批判・不満などを暗示する。