現在完了と過去完了の違い[青稲塾そこ知り英文法023]

問題です。以下の英文は一部間違っています。単語を一つだけ訂正し、正しい英文に直しましょう。

• I've met her twice before she started working here.

わかりましたか？ヒントは時制です。いつ・何が起こったのかを冷静に考えればきっと解けます。よく考えてみましょう。・・・・・・・・・考えましたか？何かしら自分なりの答えが出てから、進んで下さいね。答えは↓です。

• I had met her twice before she started working here.

英語の文法項目に過去完了(had+p.p)というのがあります。現在完了は「現在とそれ以前のつながり」を表すことが出来ますが、対して過去完了は「過去とそれ以前のつながり」を表すことができます。そう。過去完了は現在完了の過去形バージョンです。したがって、過去完了の話をする前にまず現在完了について復習しておく必要があります。まず用法から。現在完了には用法が３つあるんでしたよね。継続・完了・経験の３つです。具体例を順に書き並べると↓のようになります。

• We've known each other for about 20 years.
• He's lost the key.
• She's been to Kyoto twice.

「二十年来の付き合い」「鍵が見つからない」「京都に２回行ったことがある」ですが、これらは全て現在とそれ以前のつながりを表しているわけです。

• ２０年前に知り合い、その状態が現在までつながっている
• 過去に失くして、その影響が今なお続いている(失くしたまま）
• 過去から現在までに２回経験

対して、過去完了には用法が４つあります。そのうち３つは現在完了と同じく、継続・完了・経験です。おまけにもうひとつ大過去という用法が付いて来るのですが、とりあえず前者３つに関して説明します。過去完了は「過去とそれ以前とのつながり」を表す用法です。（大事なことなので二回・・・）したがって、単独で使われることはまずありません。過去の話を基準とし、その時点よりも前の話をしたい時に過去完了は使われます。(この点、現在完了とは異なります。あちらは基準が必然的に現在時点に決まるので、記述する必要がありません)

• I had been married for almost 10 years, when we met first.
• He had just lost his job. So, I had to help him to get a job then.
• While talking, we realized that we had met before.

「結婚して１０年が経とうかという時、我々は出会ってしまった」「彼は素晴らしい仕事をした。だから、彼に対する見方を変える必要があった。」「話してる途中で、以前に会ったことがあることに気づいてしまった」ですね。上から継続・完了・経験です。これらは全て過去とそれ以前とのつながりを表しています。

• we met firstが基準。それまで10年間ずっとmarried状態
• I had to help~が基準。それ以前に職を失くし、その影響(無職。生活できないなど)がI had to change~時点まで続いている
• we realizedが基準。それ以前にwe had metという経験

このように、過去を基準にそれ以前のことを表現しようと思ったら、過去完了を使えばいいわけですね。さてさて、ここまで過去完了の継続・完了・経験用法を説明してきましたが、どうでしょうか？現在完了とほぼ変わらないですよね。この３用法に関しては、現在完了を参考に「時制を過去にずらす」という考え方で簡単に理解できます。よくわからないときは、現在完了に遡って考えてみましょう。さて、残りの用法・大過去ですが、こちらは過去形との比較で考える方が理解しやすいので、また後日解説することにします。それでは〜。

• 現在完了は「現在とそれ以前のつながり」を表す。用法は継続・完了・経験。
• 過去完了は「過去とそれ以前のつながり」を表す。用法は継続・完了・経験・大過去。