否定文における単数と複数の違い[青稲塾そこ知り英文法029]

029not-%e5%8d%98%e6%95%b0-vs-not-%e8%a4%87%e6%95%b0今日の「そこ知り英文法」は「否定文における単数と複数の違い」についてです。「noの後ろが単数形になるのか複数形になるのか」について不思議に思ったことはありませんか?たとえば「彼には友達がいない」という文ですが、「友達がいない」というのは「一人もいない」ということなのだから、"no+単数"に違いない!と思ったのに、実際はno friendsだった・・・みたいな。実は、使い分けのキモはその状況に対して「話し手がどのように想定しているか」にあるのです。
前回の記事はこちら↓「そこ知り英文法シリーズ」まとめ記事はこちらから↓

問題

問題です。「この部屋には窓がない」を英訳すると正しいのは、以下のうちどちらでしょうか?

  • There is no window in this room.
  • There is no windows in this room.

それでは「この部屋にはエアコンがない」を英訳するどうなるでしょうか?

  • There is no air conditioner in this room.
  • There is no air conditioners in this room.

解説

"no+単数"と"no+複数"の使い分けは、話し手の想定によります。「本来どうであるべきか」「常識的に考えればどうなのか」を基準に話し手が判断し、単数と複数のどちらを使用するべきかを決定するのです。たとえば、窓って一部屋ごとに大抵2つ以上あるわけですが、話し手も同じように「この程度の大きさの部屋であれば、窓が複数あるはずだろう」と想定するならば、↓のように"not+複数"を基準に考えて表現します。

  • There is no windows in this room.

対して、同じ窓でも、お風呂場にある窓って大概あっても1つですよね。話し手も同じように「お風呂には普通あっても窓一つだよな」と想定するなら、↓のように"not+単数"で表現します。

  • There is no window in the bathroom.

「エアコンは普通一部屋に複数あることは少ないよな」と思うのであれば(実際そうですよね)、単数を基準に考えて↓のように表現することが多いですが・・・

  • There is no air conditioner in this room.

ホテルの宴会場のようなバカでかい一室なら、↓のように表現するでしょう。

  • There is no air conditioners in this room.

以上のように、「普通は単数個あるはずだ!」と考える場合は"not+単数"を、「普通は複数個あるはずだ!」と考える場合は"not+複数"を使用するわけです。さて、これに絡む話で、塾生からちょくちょく質問を受ける分野があります。中1で習う「数の尋ね方(How many~?)」の範囲なのですが、いわく、「ペン何本持ってる?」に対する答えとしての「全く持っていません」は「一本もない」という意味のはずで、もしそうなら↓のようにno pen(no+単数形)を使うのではないか・・・と。

  • How many pens do you have?
  • I have no pen.

こうした質問が出る時「この子はしっかりと自分の頭で考えてるな」と嬉しくなるのですが、残念ながら答えとしては×。基本的に、ペンって複数本持っていることが当たり前ですよね。小学生とかを除いて、ペンを一本しか持ってない人って現実的に稀です。しかも、尋ねてる側も"How many pens~?"と聞いています。複数本持っていない、「一本持っているかどうか」が当たり前の世界なら、そんな尋ね方はせず、「ペン持ってる?」と聞くはずですよね。・・・このように考えてみると、やはり↓のように"no+複数"で返答するのが適切でしょう。

  • I have no pens.

類題

もうルールは押さえましたね?それでは以下の状況を"no+単数"か"no+複数"を使って英訳してみましょう。

  • 私には友だちがいない。
  • 彼は独身だ。
  • この容器には賞味期限が書いてない。
  • (電話したのに)出なかった。
  • 空には雲ひとつなかった。

答えは↓。

  • I have no friends.
  • He has no wife.
  • There is no date on the jar.
  • There was no answer.
  • There were no clouds in the sky.

本日のまとめ

  • "no+単数"は単数が前提
  • "no+複数"は複数が前提

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