関係代名詞のthatと同格のthatの違い[青稲塾そこ知り英文法061]

061%e9%96%a2%e4%bb%a3%e3%81%aethat-vs-%e5%90%8c%e6%a0%bc%e3%81%aethat今日の「そこ知り英文法」は関係代名詞のthatと同格のthatの違いについてです。関係代名詞と関係副詞の違いwhatとwhateverの違いに引き続き、関係代名詞周りの説明になります。同格のthatを品詞的に説明すると従属接続詞ということになります。その意味で、たとえば"I know that SV."で使われるthat節と大差ないのですが、同格用法で使われ、関係代名詞と似た構造を取ると、混乱する人が多いようです。キーワードは「完全文」と「不完全」。それでは、いってみましょ〜。
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「そこ知り英文法シリーズ」まとめ記事はこちらから↓

問題

問題。thatの用法を指摘し、以下の英文を訳し分けましょう。

  1. The fact that everyone knew was shocking to Tom.
  2. The fact that everyone knew it was shocking to Tom.

答え↓

  1. 関係代名詞。「誰もが知っていたその事実がTomにとっては衝撃的だった。」
  2. 同格用法(従属接続詞)。「それを誰もが知っているという事実がTomにとっては衝撃的だった。」

解説

関係代名詞のthatはthat節の中が不完全文になります。関係代名詞と関係副詞の違い[青稲塾そこ知り英文法059]で確認した通り、関係代名詞は関係代名詞節内の代名詞が変化したものだからです。たとえば、He is a teacher who everyone likes.という文を作りたければ、以下のように考えるのでしたね。

  1. He is a teacher. Everyone likes him.
    この2文が原型。
  2. He is a teacher. Everyone likes who.
    himがwhoに変化!
  3. He is a teacher. who everyone likes.
    whoが2文目の先頭に移り形容詞節完成!!
  4. He is a teacher who everyone likes.
    関係代名詞節を先行詞にくっつけて完成!!!

himがwhoに変化したので、likesの後ろには抜けができるわけです。対して、同格のthatはthat節の中が完全文になります。同格のthatは品詞的に言うと従属接続詞ということになるのですが、これは文の先頭に付加されることによって、その文をより大きな文中で名詞節or副詞節として働かせる役割を負います。たとえば、thatを使用して名詞節を作る場合の具体例は以下のようになります。

  1. Everyone knows it. He is a teacher. 
    この2文が原型。
  2. Everyone knows it. that he is a teacher. 
    thatを文頭に付加し、名詞節完成!
  3. Everyone knows that he is a teacher. 
    itの位置にthat節を代入して完成!!!

二文目先頭にthatを付加することで名詞的なthat節を作り、それをSVOのOの位置に突っ込んだわけですね。このように、従属接続詞はあくまで付加するだけなので、従属接続詞のthat節内に空欄が生じることはありません。ところで、そもそも同格ってどういう働きを言うのかしってますか?同格とは「名詞的な要素を並べて、1つめの名詞を2つめの名詞要素で具体的に説明すること」を言います。たとえば、以下のような場合が、同格の一番簡単な例です。

  • John, my English teacher, never gets angry.

基本的な構造としては・・・

  • John never gets angry.

こうした文が前提としてあって、さらにJohnの後ろに"my English teacher"を並べることで、Johnがどのような性質を持つのか具体的な情報を追加しているわけです。こういったものを同格用法と呼ぶのですが、2つめに並べるのは名詞だけに留まりません。名詞節を入れることも可能なのです。

  1. The news made him furious. His son dropped out of school.
    これが原型。
  2. The news made him furious. that his son dropped out of school.
    従属接続詞thatを投入し、名詞節を作る。
  3. The news that his son dropped out of school  made him furious.
    that節をthe newsの後ろに同格的に配置。完成!

"that his son dropped out of school"という名詞節はnewsの具体的な説明、つまりnewsの内容を表していますので、和訳は「息子が学校を退学したという知らせを聞き、彼は激怒した。」となります。さて、ここまでで関係代名詞と同格のthatの構造的な違いは分かってもらえたと思いますが、問題は意味の違いです。たとえば以下の場合にはどのような意味の違いがあるのでしょうか。

  • I couldn't accept the fact that he told me.
  • I couldn't accept the fact that he told me it.

前者はmeの後ろに抜けがあるのでthatは関係代名詞であることがわかります。したがって、こちらは「彼が話してくれた事実を受け入れることが出来なかった。」となります。対して後者は抜けがないのでthatは従属接続詞であることがわかります。同格用法ですね。これは、that以下が直前の名詞の具体的説明・内容を表すので、したがって訳は「彼がそれを話してくれたという事実を受け入れることが出来なかった。」ということになります。

それでは問題に戻ります。問題。thatの用法を指摘し、以下の英文を訳し分けましょう。

  1. The fact that everyone knew was shocking to Tom.
  2. The fact that everyone knew it was shocking to Tom.

前者はknewの後ろに抜けがあることから、関係代名詞のthatを使っていることがわかります。したがって、訳は「誰もが知っていたその事実がTomにとっては衝撃的だった。」となります。対して後者は抜けがないので、従属接続詞で同格用法ですね。したがって、「それを誰もが知っているという事実がTomにとっては衝撃的だった。」となります。

類題

問題。thatの用法を指摘し、以下の英文を訳し分けましょう。

  1. He denied the fact that she admitted it.
  2. He denied the fact that she admitted.

答え↓

  1. 同格用法(従属接続詞)。「彼は彼女がそのことを認めたという事実を否定した。」
  2. 関係代名詞。「彼は彼女が認めた事実を否定した。」

本日のまとめ

  • 関係代名詞のthatならthat節内は不完全文。
  • 従属接続詞thatならthat節内は完全文。
  • 同格のthatは従属接続詞。

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