今日の「そこ知り英文法」は「真主語のto不定詞と真主語のthat節の違い」についてです。仮主語構文”It is形容詞 ~.”における~部分は、仮主語のitに対して真主語と呼ばれますが、ここにはto不定詞・動名詞・that節・疑問詞節などが来ることが出来ます。しかし、それではたとえば「彼が勉強すること」を真主語として取るとき、何を基準としてどのような形を取ればいいのでしょうか?今日は中でも混同しやすいto不定詞と、that節の違いについて説明してゆきます。本日のキーワードは「仮定」と「事実」。それではいってみましょう〜。前回の記事はこちら↓
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問題
問題。「子どもが夜一人で出歩くのは危険です。」を表す英文として正しいのはどちら?
- It’s dangerous for children to go alone at night.
- It’s dangerous that children will go alone at night.
答え↓
- 前者。to不定詞。
解説
to不定詞もthat節も和訳してしまえば「〜すること」となり、両者の間に特に違いはなさそうに思えます。たとえば、以下のどちらとも考えなしに和訳してしまえば「あなたがそれをすること」となりますが、特に違いがあるようには見受けられません。
- for you to do it
- that you will do it
しかし、それぞれの形が、どのような文におけるパーツになれるのかという点において、両者は全くもって異なります。まずは前者のto不定詞ですが、動名詞と不定詞の違い[青稲塾そこ知り英文法010]でも説明した通り、これは「まだしてないけど、やがてやる」がその根底にあるイメージです。したがって、以下のような文で使われます。
- My dream is to be an astronaut.
私の夢は宇宙飛行士になることだ。 - I want you to study harder.
君にもっと一生懸命勉強してほしいと思う。
「夢」も、「欲すること」も「まだしてないけど、やがてそうなる」ことが期待されるわけですからto不定詞を使用するわけですが、to不定詞を仮主語構文の真主語として使用する際も、このイメージに合っているかどうかが鍵となります。
- It is difficult for me to study hard any more.
僕にとって、これ以上勉強することは難しい。
真主語としての使用条件は「名詞的用法」を持っていることであり、その意味では真主語として動名詞が来ようが、that節が来ようが、to不定詞が来ようが問題はありません。しかし、真主語部分を除いた「It is 形容詞」の部分がどのような意味を持つのかによって、真主語の可能性は制限されます。ここでは”It is difficult…”を使っているがゆえに、to不定詞を使うわけです。というのも、このような難易度を判定する形容詞を使うときは、「実際に〜することを」含意するわけではありません。「もし〜したら難しい」のような仮定に対する判断なわけです。よって、真主語にはto不定詞しか来ることが出来ないのです。
- It is easy for me to study hard any more.
僕にとって、これ以上勉強することは簡単だ。 - It is impossible for me to study hard any more.
僕にとって、これ以上勉強することは不可能だ。 - It is hard for me to study hard any more.
僕にとって、これ以上勉強することはキツイ。
これらの場合も同じく、仮定に対する判断を下している構文なわけですから、やはりto不定詞が適しているわけですね。さて、それではthat節はどのような場合に使うのでしょうか。その根本イメージを一言で言うと・・・「事実」。あるいは、たとえば認識・噂などの「事実だと思われていること」となります。
- I think that he isn’t guilty.
- The rumor that they split up is going around.
前者のthat節は「私にとっての事実であり」、後者のthat節は「噂の内容」です。that節はこのような文で使われるわけですが、仮主語構文の真主語として使用する際にも、やはり「事実的」なニュアンスで使用され、事実・認識・噂に対する判断を表す形容詞と一緒によく使われます。
- It is apparent that he won’t study hard any more.
この文のthat節は「彼がこれ以上は一生懸命勉強できないだろう」という認識を表し、「その認識が正しい」という判断をそれ以外の部分が表しています。もちろん、「彼がこれ以上は一生懸命勉強できないだろう」と仮定しているわけではないので、この場合はto不定詞をしようしてやることは出来ないわけです。
- It is clear that he got high score at the test.
彼がテストで高得点を取ったととは明白だ。 - It is obvious that he asked her out.
彼が彼女をデートに誘ったことは明白だ。 - It is doubtful that he will study hard any more.
彼がこれ以上一生懸命勉強することは疑わしい。 - It is well-known that he is a lier.
彼が嘘つきだとよく知られている。
このように、真主語には事実・認識・噂を持ってくる場合にはthat節を使用するわけです。それでは問題に戻りましょう。問題。「子どもが夜一人で出歩くのは危険です。」を表す英文として正しいのはどちら?
- It’s dangerous for children to go alone at night.
- It’s dangerous that children will go alone at night.
日本文は「子どもが夜一人で出歩くことすれば、危険である。」と言い換えることができます。状況を仮定し、それに対する判断を述べているので、この場合はto不定詞を使用する前者が正解となります。
類題
問題。「彼女が勝つのはキビシイだろう。」を表す英文として正しいのはどちら?
- It will be tough for her to win.
- It will be tough that she will win.
答え↓
- 前者。to不定詞。
本日のまとめ
- 真主語のto不定詞は、仮定に対する判断と併用。
- 真主語のthat節は、事実・認識・噂に対する判断と併用。