関係代名詞と関係副詞の違い[青稲塾そこ知り英文法059]

059-%e9%96%a2%e4%bf%82%e4%bb%a3%e5%90%8d%e8%a9%9e-vs-%e9%96%a2%e4%bf%82%e5%89%af%e8%a9%9e今日の「そこ知り英文法」は関係代名詞と関係副詞の違いについてです。関係代名詞しか知らないのであれば迷いようもないですが、初めて関係副詞を学んだときに、両者の違いがわからず、混同してしまう人が少なからずいます。よくあるのは「先行詞が場所なら関係副詞whereを、先行詞が時なら関係副詞whenを使う。それ以外のモノはwhichで、人はwho」のように、先行詞のみで判断してしまうパターン。しかし残念ながら、「先行詞が場所であるのに関係代名詞whichを使わなければならない」こともあるのです。本日のキーワードは、「代名詞」と「副詞」です。
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問題

"which"と"where"から適した方を[ ]に入れ、英文を完成させましょう。

  •  It is the place [ ] they first met each other at.

正解は・・・

  • 2。which

解説

文の骨格を構成する名詞を修飾する形容詞節を作りそれを修飾される名詞(=先行詞)にくっつけるというのが、関係代名詞と関係副詞に共通する性質です。たとえば、まず関係代名詞の方から行きますが、「彼は皆から好かれている先生だ。」という文を考えましょう。
※文の骨格とは、関係詞等で修飾されている文から、関係詞節(単語を修飾している部分)を取っ払った残りの部分。つまり、先行詞(関係詞節で修飾される名詞)が残っている文のことを言います。たとえば上記の文で考えると、「皆から好かれている」は「先生」を修飾するので、残りの「彼は先生だ。」が骨格になります。

  • He is a teacher who everyone likes.

「彼は皆から好かれている先生だ。」を英語にすると↑のようになりますが、そもそもこの文は"He is a teacher."と"Everyone likes him."を原型とし、それらをもとに以下のように変形・合成したものと考えることが出来ます。

  1. He is a teacher. Everyone likes him.
    この2文が原型。
  2. He is a teacher. Everyone likes who.
    himがwhoに変化!
  3. He is a teacher. who everyone likes.
    whoが2文目の先頭に移り形容詞節完成!!
  4. He is a teacher who everyone likes.
    関係代名詞節を先行詞にくっつけて完成!!!

このような流れで関係代名詞の文は作られるわけです。さて、今度は関係副詞の文を考えます。たとえば「僕は、君に初めて逢った日を忘れない。」という文を考えましょう。関係代名詞と同じように、まずは原型となる2文からスタートです。この場合は「僕はその日を忘れない。」と「僕はその時に君に初めて逢った。」です。

  1. I'll never forget the day. I first met you then.
    この2文が原型。
  2. I'll never forget the day. I first met you when.
    thenがwhenに変化!
  3. I'll never forget the day. when I first met you.
    whenが二文目の先頭に移り形容詞節完成!!
  4. I'll never forget the day when I first met you.
    関係副詞節を先行詞の直後に貼り付けて完成!!

関係代名詞と全く同じ流れなので簡単ですね。ここではthenを関係副詞に変えるパターンを見ましたが、thenを具体化した表現、たとえば"in the month"や"at the time"などを関係副詞で置き換えることも出来ます。「前置詞+名詞」でひとつの副詞として見ているわけですね。

  • I'll never forget the day. I first met you on the day.
    この2文が原型!
  • I'll never forget the day. I first met you when.
    on the dayがwhenに変化!
  • I'll never forget the day. when I first met you.
    whenが二文目の先頭に移り形容詞節完成!!
  • I'll never forget the day when I first met you.
    関係副詞節を先行詞の直後に貼り付けて完成!!

ということで、このように、関係代名詞・関係副詞は「文の骨格を構成する名詞を修飾する形容詞節を作りそれを修飾される名詞(=先行詞)にくっつけることが出来る」という性質を共有しているのですが、さらにこれにプラスして、両者とも「thatで置き換え可能」「節の切れ目がわかりやすいときは省略可能」などの性質も持っています。

  • He is a teacher who everyone likes. (○)
  • He is a teacher that everyone likes. (○)
  • He is a teacher everyone likes. (○)
  • I'll never forget the day when I first met you. (○)
  • I'll never forget the day that I first met you. (○)
  • I'll never forget the day  I first met you. (○)

しかし、もちろん相違点もあります。節の内部構造に関してですが、関係代名詞節は不完全文に、関係副詞節は完全文になるのです。

  • who everyone likes
    likesの目的語がない!不完全!
  • when I first met you
    主語も目的語も埋まっている。完全!

そもそも「何が変化したのか」を考えれば当たり前の話で・・・whoはhimを変化させ、節の先頭に移動させたものですので、当然likesの目的語は空欄になってしかるべきなのです。対してwhenのもとはthenか、thenで言い換え可能な前置詞句です。主語・目的語・補語になれる名詞・代名詞とは違い、副詞はそもそも文の主要要素にはなりえないので、それがwhenに変化し文頭に移ろうとも、完全文に見えるわけです。

それでは問題に戻ります。"which"と"where"から[ ]に入る方を選び、英文を完成させましょう。

  •  It is the place [ ] they first met each other at.

[ ]の後ろをよく見てみると、atの目的語が空欄であることがわかります。ということは、[ ]に入る語の原型は、副詞や副詞句ではなく、代名詞単独であるということがわかります。代名詞が変化したわけですので、正解は当然関係代名詞。したがって、答えはwhichとなります。先行詞が場所だからといってwhereを、時だからといってwhenを選んではいけません。もとが代名詞なら関係代名詞、もとが副詞なら関係副詞です。安易な引っ掛けにはまらないようにしましょう。

  •  It is the place [ which ] they first met each other at.

類題

"which"と"where"から[ ]に入る方を選び、英文を完成させましょう。

  • I had a dinner at a restaurant [ ] a lot of celebrities are said to come.

答え↓

  • I had a dinner at a restaurant [ where ] a lot of celebrities are said to come.

本日のまとめ

  • 関係代名詞はもともと名詞。
  • 関係副詞はもともと副詞。

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