for動名詞とto不定詞の違い[青稲塾そこ知り英文法013]
蚊を殺すための何かが欲しい!
夜も更け、あなたが床に就こうとすると、耳元でブンブンブンブン音がします。どうやら蚊が入り込んでしまったようです。きっとあなたはこう思うでしょう。「蚊を殺すための道具が(何かが)欲しい!」これを英訳すると適切なのは以下のうちどちらでしょうか?
- I want something for killing the mosquito!
- I want something to kill the mosquito!
さて、夜中に色々と試行錯誤したものの、蚊を殺すことが出来ずに夜が明けてしまいました。殺虫剤を買いに薬局へ。「殺虫剤(蚊を殺すための何か)が欲しいのですが。」このように言いたいときに適切なのはどちらでしょうか?
- I'd like something for killing mosquitoes.
- I'd like something to kill mosquitoes.
今日のポイント
両者とも「〜するため」という訳出が可能な点で共通点があるわけですが、この使い分けにはmostとmost ofの違い[青稲塾そこ知り英文法007]以来お馴染みの「generalとparticular」を使用します。実は修飾する名詞の用途がparticularな場合にはto不定詞を使用し、対して、generalな場合ではfor動名詞を使用します。たとえば、実際に蚊が目の前を飛んでいる状況で「蚊を殺すための何かが欲しい!」という場合、これは「特定の蚊(the mosquito)を殺すための何かが欲しい!」という意味ですよね。つまりparticularなわけです。したがって、このようなときには以下のようにto不定詞を使用します。
- I want something to kill the mosquito!
対して、薬局に行って「殺虫剤欲しいのですが。」という場合は、特定の蚊だけを殺すのではなく、蚊全般(mosquitoes)に効く薬が欲しいわけですよね。つまりgeneral。したがって、この場合は以下のようにfor動名詞を使用します。
- I'd like something for killing mosquitoes.
動名詞と不定詞の違い[青稲塾そこ知り英文法010]で、「動名詞と不定詞の違いは『これまで』と『これから』の違いだ!」という話をしました。今回、きっと「話が違うじゃないか!」と思った方もいるかと思いますが、以下のように考えてみてください。「これまで」と「これから」の違いは、言い換えれば習慣と突発・偶発の違い。つまり、複数回と一回限りの違いでもあります。これは少し視点を変えるとgeneralとparticularの違いとして捉えることも可能です。このようにアナロジーを働かせることで、何故generalにはfor動名詞・particularにはto不定詞が馴染むのかにも納得がゆくのではないでしょうか。
本日のまとめ
- for動名詞はgeneral
- to不定詞はparticular