don’t needとneedn’tの違い[青稲塾そこ知り英文法043]
問題
問題。「日本人なら、シンガポールを訪れるのにビザを取得する必要はありません。」を英訳すると、より適切なのは以下のうちどちら?
- Japanese people don't need to take a visa to visit Singapore.
- Japanese people needn't take a visa to visit Singapore.
答え↓
- 前者
解説
まずは学校で習うことの確認から。needは一般動詞と助動詞の両方で使うことができます。一般動詞の場合は肯定文・否定文・疑問文で、助動詞として使う場合は否定文・疑問文として使います。当然前者はto原形と、後者は原形と一緒に使うことになり、学校のテストではもっぱらtoが付いているかどうかに着目しさえすれば解けるモノが出題されます。「後ろがto原形になっていれば、needn'tは使えない!」みたいな。
- You need to study harder.
- He doesn't need to study any more.
- Do I need to study longer?
- He needn't study any more.
- Need I study longer?
学校で習うのはここまでですが、ただ、これを習ったときに「あれ」と思いませんでしたか?思いましたよね?肯定文として使用する場合は否応なく一般動詞になるので問題ないですが、否定文や疑問文は両方使えます。「文法の選択問題は解けるかも知れませんが、自分で英作するときにはどちらを使えばいいの・・・。」これに対して、「特に意味の違いはないから大丈夫だよ」と教えることが多いようですが(まあ確かに受験で直接聞かれることはないので、大丈夫っちゃあ大丈夫なのですが・・・)しかし、ホントは意味的・状況的使い分けについても、とある傾向があるのです。
ところで、needの訳語は「〜する必要がある」ですが、必要にも二種類あるのはわかりますか?generalな必要性とparticularな必要性です。この場合、generalをhubitual、particularをimmediateと言い換えてもいいですが、たとえば、「その電話に出る必要はないよ。きっといたずら電話だ。」ならparticular(immediate)、「日本では医療費を全額払う必要はない」ならgeneral(hubitual)な感じですね。実はこのgeneral(hubitual)とparticular(immediate)の違いが、needの使い分けの鍵です。実は、don't needは「general(hubitual)な必要性がない」と「particular(immediate)な必要性なし」の双方を表すことができます。しかし、対してneedn'tは「particular(immediate)な必要性なし」しか表すことができないです!
- You don't need to/ needn't take that call. It must be a prank call.
- You don't need to pay the full amount of money for medical care in Japan.
それでは問題に戻りましょう。「日本人なら、シンガポールを訪れるのにビザを取得する必要はありません。」は国家間で結ばれたそうそう変わることのない強固なルールです。このように、「今すぐ差し迫ってどうこう」という話ではなく、一般的な話をする場合は"don't need"を使うほうがbetterなわけです。なお、needを一般動詞として使用するときはtoもお忘れなく。
- Japanese people don't need to take a visa to visit Singapore.
類題
類題。以下の日本文を英訳せよ。なお、2パターン書ける場合は両方とも書け。
- 嫌ならもう来なくてもいいよ。
答え↓
- You don't need to come again, if you don't want to.
- You needn't come again, if you don't want to.
本日のまとめ
- don't needはgeneralとimmediate
- needn'tはimmediateのみ