whatとwhateverの違い[青稲塾そこ知り英文法060]
問題
問題。whatとwhateverから正しいものを選び、以下の英文の[ ]を埋めよ。
- He should be punished for [ ] he did.
- He should be punished [ ] he did.
答え↓
- what/whatever
- whateverのみ
解説
関係代名詞のwhatは"the thing(s) which"を意味します。前回説明した通り、「本来、関係代名詞は形容詞節を生み出し、それを先行詞にくっつける機能を持つ(単独で名詞節は作らない)」のですが、関係代名詞whatは例外的に名詞節を生み出すことが出来ます。これは関代whatが先行詞としてのthe thingを取り込んでいるからです。修飾される名詞+それを修飾する形容詞節=名詞節というわけですね。使用法は特段難しいわけではありません。たとえば「彼女の不用意な言葉が彼を怒らせた。」なんて文を関係代名詞のwhatを使って作ることが出来るのですが・・・
- What she said in a careless way made him angry.
作り方は普通の関係代名詞と同じく、まずは「そのことが彼を怒らせた。」と「彼は不用意にそれを言ってしまった。」を原型としてスタートします。
- The thing made him angry.He said it in a careless way.
この2文が原型。 - The thing made him angry.He said which in a careless way.
itがwhichに変化! - The thing made him angry. which he said in a careless way.
whichが2文目の先頭に移り形容詞節に!! - The thing which he said in a careless way made him angry.
関係代名詞節を先行詞にくっつける!!! - What he said in a careless way made him angry.
the thing whichがwhatに変化して完成!!!!
途中まで関係代名詞whichの文と同じように考え、最後にthe thing whichをwhatに変えるだけ。たったこれだけです。お手軽ですね〜。次は複合関係代名詞whateverの説明です。"the thing(s) which"を意味する関係代名詞whatに対し、"anything which"を意味するのが複合関係代名詞whateverです。こちらも使用法は簡単。たとえば「彼女の言うことのどれもが、彼を苛立たせる。」を訳すと↓になるのですが・・・
- Whatever she says makes him irritated.
まずは「どれもが彼を苛立たせる。」と「彼女はそれを言う。」を原型としてスタートします。
- Anything makes him irritated. she says it.
この2文が原型。 - Anything makes him irritated. she says that.
itがthatに変化! - Anything makes him irritated. that she says.
thatが2文目の先頭に移り形容詞節に!! - Anything that she says makes him irritated.
関係代名詞節を先行詞にくっつける!!! - Whatever she says makes him irritated.
anything whichがwhateverに変化して完成!!!!
やはり、途中まで関係代名詞whichの文と同じように考え、最後にanything thatをwhateverに変えるだけで簡単に完成なわけです。whatとの相違点は、まずany「任意」のニュアンスが加わるという点。(anyのコア「任意」についてはsomeとanyの違い[青稲塾そこ知り英文法049]を参照)そして、whateverは副詞節も作ることが出来るという点です。これはwhatには出来ないのですが、たとえば「彼女が何を言ったとしても、彼は彼女を決して許さないだろう。」なんて文もwhateverなら作ることが出来るのです。
- Whatever she says, he won't forgive her.
- No matter what she says, he won't forgive her.
言い換え表現として習うのは"no matter what"ですが、譲歩的なニュアンスの副詞節を作れる遠因となるのはanyの持つ「任意」というニュアンスでしょう。「彼女の言うことは何でも」→「彼女の言うことはどのようなことであれ」→「彼女がどのようなことを言っても」。このように見ると、両者は「任意」という点において通底していることがわかります。
それでは、問題に戻ります。whatとwhateverから正しいものを選び、以下の英文の[ ]を埋めよ。
- He should be punished for [ ] he did.
- He should be punished [ ] he did.
前者の文は前置詞forの目的語に欠けがあります。そのため、そこを埋めるために名詞的なまとまり(=名詞節)を作らなければなりません。これはwhatとwhateverの双方が可能です。しかし、後者の文は[ ]以前には欠けが見当たりません。主語も目的語も揃っていますし、補語が必要な文型でもありません。そうした点と、直前に動詞表現が来ていることを合わせて考えるに、[ ]に始まる後半部分は副詞節である必要があります。ということで、後者の場合はwhateverのみが答えになります。
- He should be punished for [what/whatever ] he did.
- He should be punished [ whatever ] he did.
類題
"whatと"whatever"から[ ]に入るものを選び、英文を完成させましょう。
- I had to do [ ] he told me to.
答え↓
- I had to do [ what/whatever ] he told me to.
本日のまとめ
- 関係代名詞のwhatは"the thing which"。名詞節を作る。
- 複合関係詞のwhateverは"anything which"。名詞節・副詞節を作る。