hear OCとhear SVの違い[青稲塾そこ知り英文法039]
今日の「そこ知り英文法」は、まず「hear OCとhear SVの違い」を説明してから、次にそれを応用する形で「see OCとsee SVの違い」について説明してゆきます。両者の大きな違いは「直接的か間接的か」ですが、それでは「昨晩、誰かがドアを蹴った音がした。」を英訳するには、どちらを使うべきでしょうか?前回の記事はこちら↓「そこ知り英文法シリーズ」まとめ記事はこちらから↓
問題
問題です。以下の英文を訳し分けましょう。
- I heard someone kick the door last night.
- I heard someone kicked the door last night.
答えは↓。
- 昨晩、誰かがドアを蹴った音がした。
- 昨晩誰かがドアを蹴ったと聞いた。
解説
hear OCですが、もちろんこれは知覚動詞として習う用法です。Cには原形・ing・p.p.のいずれかが入り、OC間には意味上のSV関係が生じるという例のやつです。訳すと「何か(誰か)が〜する(している・される)のを聞く」ですね。こうした用法でhearを使うときには、OがCするのを直接的に聞いているということになります。
- I heard Mark say "I love you" to Mary .
MarkがMaryに『好きだ』と言うのを聞いてしまった。
対してhear SV、つまりhearの目的語にthat節が入る場合には、SがVであることを間接的に聞いている感じになります。その人が直接的に耳に入れたわけではなく、こちらはあくまで伝聞。「SがVであるという情報を耳に入れた」というのがhear SVの意味です。ちなみにこの用法、I hear SV(主語I現在形hear)のように使うと、単に「聞いた」ではなく、その情報を話し相手に紹介する感じなります。「〜らしいよ」「〜って噂だよ」みたいな感じですね。
- He heard that Mark dated Mary.
彼女はMarkがMaryと付き合っていたと聞いた。 - I hear that Mark dated Mary.
MarkはMaryと付き合ってたらしいよ。
これとほぼ同じことがsee OCとsee SVの間にも言えます。もちろんsee OCが直接的、see SVが間接的なのですが「間接的に見るってなんだ?」と思った方、そうですよね。確かに、誰かから伝え聞くことは出来ても、伝え見ることなんてことが出来るはずもありません。ではどのような場合に使うのかというと、たとえば本・テレビ・ネットなどの視覚媒体を通して、その場面を直接見ているのではなく、たとえばニュースなどで情報を受け取った場合です。こういったタイミングではsee SVを使うことが出来ます。※see SVに関しては間接的に「見る」だけではなく、「わかる」という意味を取ることも多いので要注意。「SがVするよう取り計らう」という熟語もあります。
- I saw Tom throwing up in the street.
Tomが道で吐いてるのを見た。 - I see Clinton won the first debate.
Clintonが第一討論会で勝ったって。 - I see I was wrong.
私が間違っていたと、わかってるよ。 - Please see that your seatbelt is fastened.
忘れずにシートベルトをお締めください。
類題
以下の英文を訳せ。
- I hear that Mary is expecting a baby.
- I see I should go.
答えは↓。
- Maryおめでたらしいよ。
- 行くべきなのはわかってるよ。
本日のまとめ
- hear OCは直接的
- hear SVは間接的