itとthatの違い[青稲塾そこ知り英文法052]

052-it-vs-that今日の「そこ知り英文法」はitとthatの違いについてです。両方とも、日本語訳すとき「それ」と訳すことができることから、よくよく混同されがちですが、この2つにも当然違いはあります。まあ、多くの場合置き換え可能ではあるけど。前出の名詞(人以外)を言い換えるとき、たとえば「村上春樹原作の映画をみたんだけど、あまり面白くなかったよ。」なんて言いたいときは、前出の表現そのままではなく、”It wasn’t very interesing.”のようにitを使って言い換えたりします。しかし前出の名詞ならなんでもitで代用出来るかというと、そういうわけでもないのです。ときにはoneで行なうことも・・・。使い分けの鍵は「同一」と「同種」。なんでもかんでもitを使ってはダメですよ?前回の記事はこちら↓ 青稲塾・Each Student Infinite Possibilities 050-during-vs-whileduringとwhileの違い[青稲塾そこ知り英文法050]http://seito-juku.com/duringとwhileの違い/祝!50記事達成!!100記事を目標として更新を続ける当シリーズも、今日でようやく折り返しを迎えました。いつもお読みいただき、ありがとうございます。残り半分…「そこ知り英文法シリーズ」まとめ記事はこちらから↓ 青稲塾・Each Student Infinite Possibilities [000]そこ知り英文法青稲塾そこ知り英文法・まとめhttp://seito-juku.com/projects/青稲塾そこ知り英文法/このページは「青稲塾そこ知り英文法」シリーズのまとめページです。各記事を文法項目別にまとめ直しましたので、時間のあるときに興味のあるものから読んでみて下さい…

問題

問題。「ペン忘れちゃった。貸してくれる?」を英訳すると正しいのはどちら?

  • I’ve forgot my pen. Will you lend it?
  • I’ve forgot my pen. Will you lend one?

答え↓

  • 後者。one。

解説

前回(itとoneの違い[青稲塾そこ知り英文法051] )でも触れましたが、itは前出の名詞の代用として使われますが、漠然とした状況や、文全体などを指すこともあります。すべての意味を包括的にカバーできる日本語が見当たらないために、一見捉えどころのなさを感じる語ですが、しかし、「共通理解」がその核心にあります。「状況から考えて相手もわかるだろう」と思ったときに、話し手はitを使用します。「〜が犬を買い始めたらしい。見に行こう!」

  • I hear Tom started keeping a dog. Let’s go and see it.
  • There’s a dog sleeping under the bed. Look at it.

対して、thatのコアは「thereにある」です。this「hereにある」と対称をなす、自分から遠くにあることを指すのがthatです。あくまでも遠くのモノを指すのがその機能なので、その対象がたとえ「現時点では聞き手はわからないだろう」と思うモノであってもthatで指し示すことができます。たとえば「(犬が近づいてきたのに気付き、唐突に)あの犬見て」という場合などですね。

  • Look at that. Tom’s running over there.

情報構造と絡めて、that is itの意味。this is itの意味。

こちらは皆さん馴染み深いと思いますので、今更紙幅を割く必要もないかもしれませんが、itは特定の名詞を言い換えるときに使うことが出来ます。たとえば「僕のペンどこ?」「君の机の上だよ!」というやり取りや、「Liamは車を買ったらしいけど、Williamのより安いらしい。」や、「Emmaが魚を釣り、Miaが調理した。」なんていう場合には、二回目に登場する名詞(pen/car/fish)は全て特定のモノ(my pen/the car John’s bought/the fish John’s caught)を表していますので、これらは全てitを使って言い換えることになります。

  • “Where is my pen?” ”It’s on your desk!”
  • I hear Liam’s bought a car but it’s cheaper than William’s.
  • Emma’s caught a fish and Mia’s cooked it.

対して、前出の名詞の代用としてoneが使われることもあります。こちらは不特定な名詞を言い換えるときに使います。「僕のペンどこ?」「なくしちゃったの?貸したげようか?」というやり取りを考えます。ここでは「なくしちゃったの?」の目的語は「my pen」ですが、「貸したげようか?」の目的語、貸すことを申し出ることが出来るのは、すでになくしてしまったはずの「my pen」ではありえません。したがって、この場合はoneを使います。「Ethanが車を買ったらしい。俺も買いたいな。」や、「Alexは魚を釣り上げ、Danielは購入した。」なども同じようにoneを使います。

  • “Where is my pen?” ”You missed it? Shall I lend you one?”
  • I hear Ethan’s bought a car. I want to buy one.
  • Alex’s caught a fish and Daniel’s bought one.

まあ、つまるところitは「同一」・oneは「同種」を指すということです。前で述べたモノと全く同じモノはitで、種類が同じなだけならoneで言い換えましょう。

それでは問題に戻ります。「ペン忘れちゃった。貸してくれる?」ですが、貸して欲しいのはどこかに忘れてきてしまったmy penではないですよね。貸してほしいのは「忘れてきてしまったmy penと同種のモノである不特定のpen」です。したがって、oneで言い換えるのが正解です。

  • I forgot my pen. Will you lend one?

類題

問題。以下の[ ]をitかoneで埋めよ。

  1. I’ve seen a dolphin. Have you ever seen [ ]?
  2. He’s lost his watch. I’ll buy [ ] to him.
  3. I have only this pen. So,I’ll lend [ ] to you later.

答え↓

  1. one
  2. one
  3. it

本日のまとめ

  • itは「共通理解のある何か」
  • thatは「thereにある何か」

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