習熟の極意

ここまで主に学習の準備段階(『段取』)について詳述してきた。次はいよいよ知識を実際に学び・身につけてゆくステップ、すなわち『習熟』について解説する。

『為すべきこと』に『焦点』を絞り、知識間の『構造』を掴むことを目的に学習し、『思考の土台』として『自在』扱えるよう研鑽を積もう。

『焦点』(習熟の一)

短時間で多くの知識に親しむために必要なことは、まず第一に『為すべきこと』と『それ以外』とを適切に切り分けること。そして、第二に『為すべきこと』に『可処分時間』の多くを注ぎ込むことである。

構造化自在化達成を物差しに学習対象を完璧・未完・未習に選り分け、『為すべきこと』に『焦点』を絞ろう。

『構造』(習熟の二)

『焦点』を絞ることが出来たら、その次に行うべきは『未習』知識と関連知識のつながり、すわなち、ある概念とその関連概念の間に存在する『構造』の把握である。

『同質・異質・連鎖』で『問い』を立て、学習対象と既有知識との関連付けを行い、その特性を多角的に捉えよう。

『自在』(習熟の三)

ひとたび関連項目との『構造』を把握した知識・概念も、必要な時に『思考の土台』として機能するにはさらなる練磨が不可欠である。

このような、一旦理解はすれども、完璧とは言い難い『未完』の知識については、『想起・拡張・反復』を満たした質の高い再現訓練を施すことで『自在』に働く頼れる相棒として鍛え上げよう。