shouldとhad betterの違い[青稲塾そこ知り英文法065]

065-should-vs-had-better今日の「そこ知り英文法」はshouldとhad betterの違いについてです。shouldは「すべき」、had betterは「したほうがよい」。学校では従来、このように教えられてきました。両者の間には大した違いはないということで、筆者が高校生の頃には、この2つの書き換え問題を解いたことさえあります。しかし実は、両者は決定的に異なります。その上、意味も従来の訳語とは真逆なのです。キーワードは「助言と警告」、そして「一般と個別」。それでは、いってみましょ〜。
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問題

問題。語法的に適切なのはどちらの英文?

  • Teachers shouldn't impose physical punishment.
  • Teachers had better not impose physical punishment.

答え↓

  • 前者。should。

解説

mustとshouldの違い[青稲塾そこ知り英文法058]の中でもチラッと触れましたが、shouldが表すのは「助言」です。学校では「すべき」と教えられ、その訳語の強さから誤解されがちなのですが、同時期に習うmustほど強制力がある言葉ではありません。現代の感覚で言うと「した方がいいよ〜」くらいの感覚です。

  • You should move the chair.
  • You shouldn't do that.
  • Teachers should study more.

対して、had betterが表すのは「忠告・警告」の類です。緊急性が高く・高圧的な感じで、「〜した方がいい(さもなければ・・・)」というように、それをしなかった際に問題が生じるというニュアンスが、had betterには含まれています。最近は学校でもここまでは解説するようになってきたようですが、実はhad betterにはもう一つ重要なルールがあります。なんとこれ、個別具体的な状況にしか使うことが出来ないのです。よって、一般論を言いたければ、shouldを使う必要があります。(ちなみに、shouldはどちらの状況にも使用可能)

  • You had better move the chair.
  • You had better not do that.
  • Teachers had better study more. (×)

このように、強制力のない「助言」を行ないたい場合はshouldを、強制力ありの「警告」を特定の状況で行ないたい場合はhad betterを使いましょう。それでは問題に戻ります。問題。語法的に適切なのはどちらの英文?

  • Teachers shouldn't impose physical punishment.
  • Teachers had better not impose physical punishment.

前後の文脈を欠いているので、この発言が「助言」なのか「警告」なのかを見分けることは出来ません。しかし、主語に注目してみて下さい。Teachersです。A teacherでもThe teacherでもThe teachersでもなく、Teacersです。ということは、ココで指している「教師」は教師全般ということになりますね。("I like dogs."「犬全般が好き」とかと同種の-sです。)つまり「教師というものは、体罰をしてはならない」という一般論を展開しているわけですから、個別具体的にしか使えないhad betterを使うことは出来ないのです。したがって、正解は「前者。should。」となります。

類題

問題。should・had betterから正しいものを選び、[ ]を埋め、文法的に正しい英文を作りましょう。

  1. You are always at home. You [ ] go out more often.
  2. You are always at home. You [ ] go out now!

答え↓

  1. should。
  2. 両方。

本日のまとめ

  • shouldは「助言」
  • had betterは「警告」。個別具体的な状況に使う。

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