theなし比較級とtheあり比較級の違い[青稲塾そこ知り英文法045]
問題
問題。次に続くフレーズのどちらかを使用して空欄を埋め、以下の英文を完成させましょう。なお、各フレーズはそれぞれ一回しか使用できません。[of the two, than Tom]
- She is taller [ ].
- She is the taller [ ].
答え↓
- She is taller than Tom.
- She is the taller of the two.
解説
比較級は、異なる二つをある一つの基準において比較するときに使用し、(たとえば、EmmaとSofiaを歳を取っているかどうかという基準で比べるときなど)特に最上級とは異なり、直前にtheを付けてはならないと中学校では教わります。
- Emma is older than Sofia.
Emmaはsofiaより年上だ。
しかし、高校からはその説明と矛盾した比較級が出てきます・・・。そう。theあり比較級です。theあり最上級とtheなし最上級の違い[青稲塾そこ知り英文法044]で説明した「theなし最上級」と同じように、中学では「そんな形はないから間違って覚えるな!」と言われていたはずの、比較級なのにtheを付ける形が出てきてしまうのです・・・。
- Emma is the older of the two.
Emmaはその二人の中では年上の方だ。
両者間の押さえておくべき違いは、比較級以下の部分(ここではolderより後ろ)にあります。theなし比較級は"than Sofia"と比較の対象を具体的に明示しているのに対して、theあり比較級は"of the two"と比較の範囲を設定するに留めています。ここで少しばかりアナロジーを働かせて欲しいのですが、後者の文って似た形をどこかで見たことがないでしょうか?
- Emma is the oldest of the three.
Emmaはその三人のうちで一番年上に見える。
そう。最上級です。比べてみればわかりますが、theあり比較級は最上級の基本形と形がクリソツなのです。しかも、「二人のうちで、より歳を取っている」を「二人のうちで一番歳を取っている」というふうに少し言い換えてあげれば、意味合い的にもほぼ同じになります。ということで、theあり比較級は比較範囲が2者しかないときの最上級の特殊形と捉えた方が実は実際に近いのです。こう考えれば、theがつく理由も納得です。theあり最上級とtheなし最上級の違い[青稲塾そこ知り英文法044]でも説明した通り、最上級でtheは「限定用法の形容詞の後ろに省略された名詞」に付いているということでしたが、theあり比較級でも同じように考えるといいでしょう。
- She is taller [ ].
- She is the taller [ ].
問題へ戻ります。前者は中学で習う比較級の基本形、theなし比較級です。したがって、これは対象が具体的に書いてあるはずだと考えられるので、空欄にはthan Tomが入ります。
- She is taller than Tom.
対して後者はtheあり比較級です。この形は、比較範囲が2つしかないとき限定の最上級、言わば「なんちゃって比較級」ということでしたので、最上級の基本形を基準に考えてやります。となると、馴染むのはof ~という表現の方ですね。したがって、ここではof the twoが入ります。
- She is the taller of the two.
類題
類題。以下の空欄にtheが必要な場合はtheを、不要な場合は×を、どちらも考えられる場合はthe/×を書き入れよ。
- Of the two, Oscar looks [ ] more attractive to me.
- They're both intelligent. But I think Chloe is [ ] wiser.
答え↓
- Of the two, Oscar looks [ the ] more attractive to me.
- They're both intelligent. But I think Chloe is [ the/× ] wiser.
本日のまとめ
- theなし比較級は具体的な比較対象が後続する。
- theあり比較級は比較の範囲が後続。最上級の仲間。