今日の「そこ知り英文法」は「否定文における単数と複数」についてです。「noの後ろが単数形になるのか複数形になるのか」について不思議に思ったことはありませんか?たとえば「彼には友達がいない」という文ですが、「友達がいない」というのは「一人もいない」ということなのだから、”no+単数”に違いない!と思ったのに、実際はno friendsだった・・・みたいな。実は、使い分けのキモは話し手の想定にあるのです。前回の記事はこちら↓
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否定文におけるbothとeitherの違い[青稲塾そこ知り英文法028]http://seito-juku.com/否定文におけるbothとeitherの違い/今日の「そこ知り英文法」は「否定文におけるbothとeitherの違い」についてです。昨日の記事(否定文におけるandとorの違い)とほぼ同じ考え方を使いますので、まだ読んで…「そこ知り英文法シリーズ」まとめ記事はこちらから↓
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青稲塾そこ知り英文法・まとめhttp://seito-juku.com/projects/青稲塾そこ知り英文法/このページは「青稲塾そこ知り英文法」シリーズのまとめページです。各記事を文法項目別にまとめ直しましたので、時間のある時に興味のあるものから読んでみて下さい。…
問題
問題です。「この部屋には窓がない」を英訳すると正しいのは、以下のうちどちらでしょうか?
- There is no window in this room.
- There is no windows in this room.
それでは「この部屋にはエアコンがない」を英訳するどうなるでしょうか?
- There is no air conditioner in this room.
- There is no air conditioners in this room.
解説
“no+単数”と”no+複数”の使い分けは、話し手の想定によります。「本来どうであるべきか」「常識的に考えればどうなのか」を基準に話し手が判断し、単数と複数のどちらを使うべきかが決定するのです。たとえば、窓って一部屋ごとに大抵2つ以上あるわけですが、話し手も同じように「この程度の大きさの部屋であれば、窓が複数あるはずだろう」と想定するならば、↓のように”not+複数”を基準に考えて表現します。
- There is no windows in this room.
対して、同じ窓でも、お風呂場にある窓って大概あっても1つですよね。話し手も同じように「お風呂には普通あっても窓一つだよな」と想定するなら、↓のように”not+単数”で表現します。
- There is no window in the bathroom.
「エアコンは普通一部屋に複数あることは少ないよな」と思うのであれば(実際もそうですよね)、単数を基準に考えて↓のように表現することが多いですが・・・
- There is no air conditioner in this room.
ホテルの宴会場のようなバカでかい一室なら、↓のように表現するでしょう。
- There is no air conditioners in this room.
以上のように、「普通は単数のはずだ!」と考える場合は”not+単数”を、「普通は複数のはずだ!」と考える場合は”not+複数”を使用するわけです。これに絡んだ話で、塾生からちょくちょく質問を受ける分野があります。中1で習う「数の尋ね方(How many~?)」の範囲です。いわく、「ペン何本持ってる?」に対する答えとしての「全く持っていません」は「一本もない」という意味のはずで、もしそうなら↓のようにno pen(単数形)を使うのではないか・・・と。
- How many pens do you have?
- I have no pen.
こうした質問が出る時「この子はしっかりと自分の頭で考えてるな」と嬉しくなるのですが、残念ながら答えとしては×。基本的に、ペンって複数本持っていることが当たり前ですよね。小学生とかを除いて、ペンを一本しか持ってない人って現実的に稀です。しかも、尋ねてる側も”How many pens~?”と聞いています。複数本持っていない、「一本持っているかどうか」が当たり前の世界なら、そんな尋ね方はせず、「ペン持ってる?」と聞くはずです。このように考えてみると、やはり複数持っているものとして聞いていることがわかるわけですね。このように考えてみると、やはり↓のように”no+複数”で返答するのが適切でしょう。
- I have no pens.
類題
もう考え方はわかりましたね。それでは以下の状況を”no+単数”か”no+複数”を使って英訳してみましょう。
- 私には友だちがいない。
- 彼は独身だ。
- この容器には賞味期限が書いてない。
- (電話したのに)出なかった。
- 空には雲ひとつなかった。
答えは↓。
- I have no friends.
- He has no wife.
- There is no date on the jar.
- There was no answer.
- There were no clouds in the sky.
本日のまとめ
- “no+単数”は単数が前提
- “no+複数”は複数が前提