分析[段取りの心得・一]

分析(目標・実力・リソース)

「自学の心得」シリーズ。段取りの心得・一「分析」について。目標が定まった時それに向けて勉強を始めるわけですが、その後の展開をよりスムーズにするために、初めにやっておくべきことがあります。段取りです。前回(「自学の心得・始」)お話した通り、そのプロセスは分析・計画・修正の3つに分かれるわけですが、今日はその中でも分析の手法について説明します。これは主に計画策定への事前準備であり、よってこのタイミングで目標・実力・リソースについてどれだけ明確化できるかが後々に影響を及ぼします。すべてはここから。手を抜かずしっかりとやりましょう!
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目標

現状分析の第一歩は、目標明確化です。過去問や大学の資料を見ながら、以下の質問に順に答え、「勉強の結果に何を求めるのか」を徐々に具体化してゆきましょう。(なお、ここではわかりやすくするために大学受験生向けの質問にしてあります)

  1. 「三年後にどうなっていたいですか?」
  2. 「あなたの志望校(学部)はどこですか?」
  3. 「どうしてもその学校に行きたいですか?」
  4. 「試験本番は何月何日ですか?」
  5. 「入学に必要な合計点はいくらですか?」
  6. 「どんな形式の問題が出ますか?」
  7. 「どの教科で何点確保する予定ですか?」

・・・しっかりと考えましたか?非常に大切ことなので、しっかりとやってください。これには2つの意味があります。一つは戦略を立てるための情報収集であり、もう一つはモチベーション管理です。勉強が大好きな人を除き、多くの人にとって目標が固まっていない勉強は苦行と同じです。その上、そうした人はうまく実力が伸びてゆかないときにずるずると目標を下げてしまいがちです。それを防ぐためにも、初めの段階でしっかりと目標を定め、覚悟を決めることは非常に重要です。「志望は、一応〜です・・・。」では望み薄です。胸を張って「志望は〜です!!」と答えられるよう、腹を決めましょう。

実力

次にすべきは実力明確化です。「何ができ、何が出来ないか」をはっきりさせましょう。受験勉強の成否は、「目標と実力をどれほど近づけることができるか」にかかっています。よって、これを大雑把にやってしまい、実力を測り間違える(特に実力を過大評価する)と後々痛い目に合う確率が上がります。「苦手な分野はないか」など、特に胸に手を当てて考えましょう。大学受験生なら、たとえば以下のようにレベルの違う問題にいくつか当たってみるとよいでしょう。どのレベルから勉強を始めるべきかを特定することができます。

  • 公立高校の入試問題
  • 定期試験の過去問
  • 模試の過去問
  • センター試験
  • 志望校の過去問

多くの高校生にありがちなのが、「自分は高校生なのだから、中学レベルなんて完璧に決まってるじゃん♪」という勘違いです。たとえば英語ですが、高校入学以降に伸び悩みを感じるようになった人は、中学レベルから分かっていない場合が多く、そしてそうした人達は実際相当数います。実際、高校生に中学レベルの英作をやらせると、ボロボロ間違えることが・・・。本当に出来ていますか?初見で少なくとも9割取れますか?ちゃんと厳しく評価しましょう。

  • 不定詞の特に完了不定詞がわからない・・・
  • 比較の慣用表現が全般的に苦手・・・
  • 中学レベルは良いが、高校レベルの英単語がわからない・・・」

実力の程度が判明したら、次は上記のように苦手な箇所をもう少し細かく掴むようにして下さい。セルフテストの結果をまとめることで、どの単元が苦手なのかを特定しましょう。このように、分からないところを絞り込んでおくことで、対策に使うべき時間数などを割り出したり、今後の勉強をスムーズに進めることが出来ます。

リソース

目標と実力の差を認識し、なんとなくやることが見えてきた。次は差を埋めるために使えるをはっきりさせること、つまりリソース明確化を行いましょう。まずは限界勉強時間を出してみましょう。下の質問に順に答えてゆきましょう。

  1. 現時点から試験日まで何週間ありますか?
  2. 一週間で何時間勉強できますか?
  3. 上記2つを掛算すると何時間になりますか?

これで、限界勉強時間を出すことができます。たとえば、週30時間の勉強を50週間続けると、限界勉強時間は1500時間となります。しかし、限界ギリギリを追求できる人は稀です。そこで計画の破綻を防ぐために、精神的な意味でも確保されうる実質リソースを出しておく必要があります。

  • 限界勉強時間から二割減らしましょう

たとえば、限界勉強時間が1500時間なら、実質リソースは1200時間です。多く見積もってしまったら、計画は確実に破綻しますが、少なく見積もる分にはあとで対応可能です。少なめに見積もっておくことは計画倒れを防ぐために重要です。なお計画を立てる段階では、以上で計算した実質リソースを、他の分析データや、教科ごとの配点や特性に合わせて割り振ってゆくことになります。

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