真主語のtoVと真主語のthatの違い[青稲塾そこ知り英文法072]

072%e7%9c%9f%e4%b8%bb%e8%aa%9e%e3%81%aetov-vs-%e7%9c%9f%e4%b8%bb%e8%aa%9e%e3%81%aethat今日の「そこ知り英文法」は真主語のto不定詞と真主語のthat節の違いについてです。仮主語構文"It is形容詞 ~."における~部分は、仮主語のitに対して真主語と呼ばれますが、ここにはto不定詞・動名詞・that節・疑問詞節などが来ることが出来ます。しかし、それではたとえば「彼が勉強すること」を真主語として取るとき、何を基準としてどのような形を取ればいいのでしょうか?今日は中でも混同しやすいto不定詞と、that節の違いについて説明してゆきます。本日のキーワードは「仮定」と「事実」。それではいってみましょう〜。
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問題

問題。「子どもが夜一人で出歩くのは危険です。」を表す英文として正しいのはどちら?

  • It's dangerous for children to go alone at night.
  • It's dangerous that children will go alone at night.

答え↓

  • 前者。to不定詞。

解説

to不定詞もthat節も和訳してしまえば「〜すること」となり、両者の間に特に違いはなさそうに思えます。たとえば、以下のどちらとも考えなしに和訳してしまえば「あなたがそれをすること」となりますが、特に違いがあるようには見受けられません。

  • for you to do it
  • that you will do it

しかし、それぞれの形が、どのような文におけるパーツになれるのかという点において、両者は全くもって異なります。まずは前者のto不定詞ですが、動名詞と不定詞の違い[青稲塾そこ知り英文法010]でも説明した通り、これは「まだしてないけど、やがてやる」がその根底にあるイメージです。したがって、以下のような文で使われます。

  • My dream is to be an astronaut.
    私の夢は宇宙飛行士になることだ。
  • I want you to study harder.
    君にもっと一生懸命勉強してほしいと思う。

「夢」も、「欲すること」も「まだしてないけど、やがてそうなる」ことが期待されるわけですからto不定詞を使用するわけですが、to不定詞を仮主語構文の真主語として使用する際も、このイメージに合っているかどうかが鍵となります。

  • It is difficult for me to study for two hours a day.
    僕にとって、一日二時間勉強することは難しい。

真主語としての使用条件は「名詞的用法」を持っていることであり、その意味では真主語として動名詞が来ようが、that節が来ようが、to不定詞が来ようが問題はありません。しかし、真主語部分を除いた「It is 形容詞」の部分がどのような意味を持つのかによって、真主語の可能性は制限されます。ここでは"It is difficult..."を使っているがゆえに、to不定詞を使うわけです。というのも、このような難易度を判定する形容詞を使うときは、「実際に〜することを」含意するわけではありません。「もし〜したら難しい」のような仮定に対する判断なわけです。よって、真主語にはto不定詞しか来ることが出来ないのです。

  • It is easy for him to study for two hours a day.
    彼にとって、一日二時間勉強するのは簡単なことだ。
  • It is impossible for Pochi to wait for more than 5 minutes.
    Pochiにとって、10秒以上待つのは不可能だ。
  • It is hard for her to go to school every day.
    彼女にとって、毎日通学するのは難しい。

これらの場合も同じく、仮定に対する判断を下している構文なわけですから、やはりto不定詞が適しているわけですね。さて、それではthat節はどのような場合に使うのでしょうか。その根本イメージを一言で言うと・・・「事実」。あるいは、たとえば認識・噂などの「事実だと思われていること」となります。

  • I think that he is guilty.
    私が思うに、彼は有罪だ。
  • The rumor that they split up is getting around.
    彼らが別れたという噂が広まっている。

前者のthat節は「私にとっての事実であり」、後者のthat節は「噂の内容」です。that節はこのような文で使われるわけですが、仮主語構文の真主語として使用する際にも、やはり「事実的」なニュアンスで使用され、事実・認識・噂に対する判断を表す形容詞と一緒によく使われます。

  • It is apparent that he won't be able to study hard any more.
    彼がこれ以上一生懸命勉強出来そうにないことは明白だ。

この文のthat節は「彼がこれ以上は一生懸命勉強できないだろう」という認識を表し、「その認識が正しい」という判断をそれ以外の部分が表しています。もちろん、「彼がこれ以上は一生懸命勉強できないだろう」と仮定しているわけではないので、この場合はto不定詞を使用することは出来ないわけです。

  • It is clear that he got high score at the test.
    彼がテストで高得点を取ったととは明らかだ。
  • It is obvious that he asked her out.
    彼が彼女をデートに誘ったことは誰が見ても明白だ。
  • It is doubtful that he will study hard any more.
    彼がこれ以上一生懸命勉強することは疑わしい。
  • It is well-known that he is a lier.
    彼が嘘つきだということはよく知られている。

このように、真主語に事実・認識・噂を持ってくる場合にはthat節を使用するわけです。それでは問題に戻りましょう。問題。「子どもが夜一人で出歩くのは危険です。」を表す英文として正しいのはどちら?

  • It's dangerous for children to go alone at night.
  • It's dangerous that children will go alone at night.

日本文は「子どもが夜一人で出歩くことすれば、危険である。」と言い換えることができます。状況を仮定し、それに対する判断を述べているので、この場合はto不定詞を使用する前者が正解となります。

類題

問題。「彼女が勝つのはキビシイだろう。」を表す英文として正しいのはどちら?

  • It will be tough for her to win.
  • It will be tough that she will win.

答え↓

  • 前者。to不定詞。

本日のまとめ

  • 真主語のto不定詞は、仮定に対する判断と併用。
  • 真主語のthat節は、事実・認識・噂に対する判断と併用。

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