計画[段取りの心得・二]

計画(セグメンテーション・スモールステップ・バッファ)

「自学の心得」シリーズ。段取りの心得・二「計画」について。前回(分析[段取りの心得・一)は、計画策定に最低限必要な3つの情報(目標・実力・リソース)をどのように獲得すべきかについて説明しました。必要な情報が集まったら、次に行なうべきは計画策定です。分析データをもとに最適なプランを考えましょう。なお、良い計画には最低限満たしておくべき条件が3つあります。合目的的(目的に合っていること)・実行可能・最短距離です。これらを満たすために、セグメンテーション・スモールステップ・バッファを意識しながら分析結果に沿った計画を立てるようにしましょう。
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セグメンテーション

現在から試験当日までを段階的に細分化し、それぞれの期間目標を考え、徐々に計画を具体化してゆきましょう。たとえば、ちょうど一年後に受験がある場合、まずは1年を4分割して3ヶ月ごとのquarterly_planを立てましょう。この段階では「基礎力養成→応用力養成→総復習&穴埋め→志望校対策」のような感じで、ある程度大雑把に四半期ごとの目標を決めましょう。次に、これをmonthly_planに落とし込みます。ここではテキストレベルで目標を考えましょう。たとえば、初めの三ヶ月の目標を基礎固めに置いたのであれば、それを実現できるテキストを選び、月割りでどのテキストをマスターするかを決めます。(「英文法の基礎問題集を2ヶ月でマスターし、次の1ヶ月で英文解釈の基礎に踏み込む」のような感じです)これが終わったら、さらにweekly_planを立ててゆきます。こちらはページベースで考えましょう。monthly_planで定めたテキストを、設定した期間で完璧にするためには、週にどの程度進めるべきか考えます。それらをもとに、日々の課題の量を割り振り、一日一日のやることを明確にしましょう。(「英語は毎日一時間半前後やる。一日に英文法テキストの単元2つ分を絶対に完璧にし、翌日には15分復習時間も取る」こんな感じですね)

  1. quarterly_plan 四半期ごとの大雑把な目標を立る
  2. monthly_plan 四半期目標をもとに、テキストベースで月間目標を立てる
  3. weekly_plan ページベースで週間目標を立て、日々の時間割に落とし込む

初めから1年間分の週間目標を立てる必要はありませんが、1年分のquarterly_plan・三ヶ月分のmonthly_plan・一月分のweekly_planくらいはあらかじめ決めておきましょう。日々しっかりとやり切れているのかを判断する材料が増え、後々の計画が立てやすくなります。

スモールステップ

やることを細分化して捉え、できることから段々と積み上げてゆきましょう。たとえば、「英語を得意にしたい!」という目標があるとき、このままではあまりにも漠然とし過ぎていて対策も講じにくいです。そこで、「そのために何をすべきか」「自分に足りないものは何か」を具体的に考えるわけですが、英語は総合科目であり、読解・文法・構文・語彙などやるべきことはたくさんあります。まず手を付けるべきはどこでしょうか?全体的に苦手なのであれば、最初にやるべきは語彙と基礎文法です。では文法を得意にしたいとき、どの単元の学習が必要でしょうか?たとえば過去完了がイマイチわからないとしましょう。それではその前提として、現在完了は確実に理解できていますか?現在形と過去形の違いや、現在進行形と過去進行形の違いはどうでしょうか?このように、自分がどこからやるべきかをまず限定しましょう。その上で、段階的に知識を積み上げることで、効率よくステップアップしてゆけます。

  1. 英語が得意になりたい!
  2. 何が必要?
    読解・文法・構文・語彙!
  3. まずやるべきは?
    語彙と基礎文法!
  4. 文法のどこが苦手?
    過去完了!
  5. 過去完了の前提は理解してる?
    現在完了がわからない!
    現在形と過去形の違いはわかる!

知識には繋がりがあります。1つの知識を正確に理解するためには、その土台となっている知識も正確に知っておく必要があります。わからないことがあるときには、その理解に必要な既習事項を遡って勉強し直しましょう。土台がなくて理解できない問題はいくらやっても理解できません。いたずらに時間を浪費するだけです。逆に、前提となる知識が強固だと、いろんなことに応用できたり、日々取り組むテキストや、「知識の一つ一つが全体の中でどういう意味を持つのか(他の知識との関連・まとまり)」に気付くことができ、目的に合った力をつけることも容易になります。(対して各知識がバラバラな状態だと、自分が何のためにその単元を勉強しているのか見失いがちに・・・)当たり前ですが「できるところからコツコツと」という姿勢が本当に本当に大切です。急がば回れ。早くやりたきゃ、積み上げましょう。

バッファ

計画を立てるときには詰込厳禁です。不測の事態に備えて、あらかじめ緩衝材を入れておきましょう。心から望む結果を出すには、それなりの期間コンスタントに取り組む必要があるものです。その期間はもちろん人によりけりですが、たとえば大学受験となると1年程度が一般的でしょうか。1年間も勉強を続けていると、それなりに知識量も増えてきますが、反面、古い知識が新しい知識に埋もれてしまいがちです。そして、埋もれさせたままの人は十中八九落ちます・・・。大切なのは、やったことを確実に残すことです。そうなってくると、復習を日頃から定期的に行なうべきなのですが、もちろん後半になればなるほど復習すべきことがかさばってきます。余程の消化力がある人を除き、これを見越した計画を立てなければ計画が破綻します。「一日5ページは進むだろう」と考えていたのに、いざ蓋を開けてみると、3ページしか進まない。こんなことはザラです。大切なのは、焦って進み続けるのではなく、ときに立ち止まり、残す勉強のために時間を使うこと。そして、そうした時間をあらかじめ見積もっておくことです。記憶力や、課題の量にもよりますが、たとえば「毎週日曜日は1週間分の復習だけ」とか、「5の倍数の週は直近4週間分の復習だけ」とか、復習のみに全力を注ぐ期間を挟み込み、計画の実現性をぐっと高めましょう!

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